Subject  : 食用の発色剤

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 食用の発色剤
発色剤と表示されていれば、亜硝酸ナトリウムのことを指すことが 多いです。
肉などの中には、ヘモグロビンやミオグロビンという赤い成分が ありますが、これらは酸化しやすく、酸化することで メトヘモグロビンやメトミオグロビンという黒ずんだ物質に変化します。ですから肉は黒く変色していくのです。
発色剤を入れると、これらの物質がニトロソヘモグロビンや ニトロソミオグロビンに変化します。この物質は赤く、 なおかつ安定した物質なので、赤さが持続するようになります。

亜硝酸塩は、ハム、ソーセージなどの色調、風味の改善、保存性の向上やタラコ、すじこ、いくらの色調の改善に利用されています。 水産加工品である、すじこ、たらこ、いくらは、発色剤の効果により褐色のくすんだ色になるのを防ぎ、おいしそうな淡い紅色となり、魅力が高まります。
また、亜硝酸塩は、食中毒の原因となる"ボツリヌス菌"の発育阻止効果もあり、欧米では、ハム、ソーセージなどの食肉加工品による食中毒防止のための保存剤として重要視されています。

● 亜硝酸ナトリウムの発ガン性について
1967年にノルウェーにおいて亜硝酸ナトリウムで処理したニシンにより家畜が多数中毒死した事件が発生しました。 死因は、ニシン中の二級アミンと保存料として使用した亜硝酸ナトリウムが、ニシンの乾燥工程中に反応してジメチルニトロソアミンが生成したため判明しました。
また、亜硝酸ナトリウムはアミノピリン、オキシテトラサイクリンなどの 医薬品と酸性域で反応して ニトロソアミンを生成すること、また、 アスコルビン酸(ビタミンC)はニトロソアミンの生成を阻害すること などがわかってきています。
亜硝酸ナトリウム自体については毒性や発ガン性は認められていませんが、 亜硝酸には発癌物質のニトロソアミン生成因子としての問題があります。

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