Subject  : 保存料

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 保存料
これまで食品の保存性を高めるためには、燻煙、スパイス、塩漬け、砂糖漬け、酢漬け、などの方法がとられてきましたが、現在の多様化、高級化された加工食品にはこれらの方法だけでは対応できなくなってきています。
また、健康志向から減塩、低糖の食品が望まれるようになり、保存性は悪くなる傾向にあります。
食中毒の原因は、細菌、化学物質、自然毒などに分類されていますが、発生件数や患者のほとんどは細菌によるものです。
食品の腐敗、変敗を防止し、食中毒を予防するのに保存料が使用されています。
1. 腐敗、変敗しやすい食品の保存効果を高めます。
  • 保存料は、食品の腐敗、変敗の原因である微生物の発育を阻止し、保存性を高めます。

2. 食品の風味を損なわず、効果的に保存性を向上させます。
  • 少量で効果が良く発揮されます。

主な保存料には、 安息香酸ナトリウム 、 ソルビン酸カリウム、ナトリウム 、 ε-ポリリジン 、 しらこたん白抽出物(プロタミン) 、 デヒドロ酢酸ナトリウム 、 パラオキシ安息香酸のエステル各種。 、 ツヤプリシン(ヒノキチオール) などがあります。

● 安息香酸および安息香酸ナトリウム
 安息香酸は自然界や食品中に低濃度ながら極めて広く分布しており、みかん、マンゴ、パパイヤ、キウイ、メロンなどの果実類、ニラ、タマネギ、キュウリ、ブロッコリー、キャベツ、などの野菜類から、0.1〜数ppm程度検出されます。 また、チーズ及び醤油の製造工程中に生成することや、シナモン、タイム、クローブなどの香辛料にも含まれることが報告されています。

● ソルビン酸およびソルビン酸カリウム
 ソルビン酸は、1959年にナナカマド(Sorbus aucuparia)の未熟果汁に発見された天然に存在する物質です。 抗菌力はあまり強力ではないが、広い抗菌スペクトルを有します。静菌的に働き殺菌力は弱い。細菌よりも真菌(カビ・酵母)に対して有効ですが、乳酸菌にたいしては抗菌性が弱い。

● プロピオン酸、プロピオン酸カルシウムおよびプロピオン酸ナトリウム
 プロピオン酸は多くの"発酵食品中に広く分布"し、特にナチュラルチーズの一種であるエメンタルチーズには高濃度に含まれます。その他、醤油、魚醤(しょっつる)、なれすし、くさや汁に含まれることが報告されています。また、添加の対象物であるパンの発酵過程で生成させることも報告されています。 酵母に対して抗菌性が弱く、パン生地の発酵を阻害しないことから、ロープ菌による腐敗やカビの発生を防止するために使用されます。
 ⇒ 食品添加物

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