Subject  : 抗酸化物質と酵素(カタラーゼ、SOD)

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 抗酸化物質と酵素
抗酸化物質にはビタミンCビタミンEベータ・カロチンビタミンA などがあり、抗酸化成分を多く含むものとして、 ポリフェノールセサミンイソフラボンカテキン などが有名です。 活性酸素を除去する酵素にはカタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ 、 グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH peroxidase)、 グルタチオン還元酵素(GSH reductase)、Glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD)などがあります。

 これらの抗酸化酵素は、残念なことに加齢とともに40歳台なかばともなれば、その活性を徐々に失っていき活性酸素の害を十分に防ぐことができなくなります。 抗酸化物質は基本的に植物に多く含まれています。植物は太陽を浴びて光合成を行ってエネルギーを作り出しています。太陽光線に含まれる紫外線は、植物に含まれる細胞水と反応して強烈な活性酸素を発生します。この酵素毒から自己防衛するシステムとして、抗酸化物を多く含むようになったと言われています。
 それが緑黄色野菜や果物等に含まれるカロチノイドであり、ポリフェノールであるという訳です。動物性食品の抗酸化物質は、こうした植物から摂取したものが蓄積した結果だと言われてます。例えばサケ・体表が赤い魚(鯛、赤魚)や魚卵(イクラ、スジコ)などに多く含まれているアスタキサンチン(カロチノイドの一種)も食物連鎖による植物由来の物です。

● カタラーゼ(Catalase)
カタラーゼは、過酸化水素を分解して酸素と水に変える酵素。
鉄とマンガンを必要とし、限界回転率はおよそ10万。人の場合、 527のアミノ酸から成り、分子量は約24万。人を始めとして肝臓に多く存在するため、肝臓をオキシドールにつけると酸素が発生する。人の場合、このたんぱく質をコードしている遺伝子はCATで第11染色体のp13に存在する。また、この遺伝子が欠損する、無カタラーゼ症という病気がある。

● スーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD)
スーパーオキシドディスムターゼはスーパーオキシドアニオン (・O2-, 活性酸素) から電子を取り除いて酸素と水素分子にする酵素。 活性中心に銅イオンと亜鉛イオン、またはマンガンイオンのように 二価の金属イオンを持った酵素で、細胞核に多く局在している。 酸化ストレスを減少させる役割を持ちます。
過酸化水素水はカタラーゼや ペルオキシダーゼなどによって分解される。
がん細胞では活性酸素が高頻度に産生されており、SOD の阻害に 感受性を示す場合があるため、抗がん剤の標的として研究が行われている。

 ヒトは、体重当りのカロリー消費量に対してSODの活性が他の動物より高いため、寿命が長いと、考えられる。  血清中のSOD活性は、成人より小児の方が高い:年齢が若い小児の方が、高い。
 細胞内には、SODのように、活性酸素を消去(除去)する働きのある酵素が存在するが、細胞外にはあまり存在しないので、細胞は、外からの活性酸素には、弱いと言われる。

 ⇒ 活性酸素

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