Subject  : 動脈硬化を防ぐには

カテゴリー: 役立つ情報


 動脈硬化を防ぐには
 コレステロール値が高いだけでは、動脈硬化は起こらず、コレステロールが、活性酸素などにより酸化されることの方が危険です。  血管内皮細胞の炎症が、動脈硬化症と、その合併症の発症に重要な役割を果しています。  酸化LDLの量を、 冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)患者と健康成人で比較した研究があります。なお、酸化LDLとして、構成するリゾホスファチジルコリン(リゾフォスファチジルコリン:LPC)を測定。   血清総コレステロールやトリグリセリドの量は、両群間で有意差がありませんでした。  ところが、酸化LDLの量は、冠動脈疾患患者では、健康成人に比べて、2倍近くもありました(冠動脈疾患患者が20.1±1.1μg/dlなのに比して、健康成人は11.2±0.3μg/dl)。  なお、酸化LDLの量の単位は、μg/dlと微量(総コレステロール値の単位はmg/dl)です。

総コレステロール値やLDL値が高いことよりも、抗酸化物質が少なく、LDLが酸化されやすいことの方のが、冠疾患による死亡の危険因子になります。

 マクロファージが、コレステロールを含む酸化LDLを細胞内に取り込むリセプター(受容体)が、スカベンジャー受容体です。  酸化LDLは、マクロファージにスカベンジャー受容体を介して取り込まれます。
   マウスを用いた実験で、このスカベンジャー受容体が無いと、プラークが出来にくく、動脈硬化の進行が遅いことが証明されています。
 また、酸化LDL受容体が、動脈硬化の病変部位の血管内皮細胞に多い傾向があります。
   プラーク(粥腫:ジュクシュ)形成のメカニズムは、完全に解明されていません。  恐らく、血液中に増加した酸化LDLは、過剰に供給されると受容体発現数が減少(ダウンレギュレーション)されるLDL受容体でなく、血管内皮細胞の酸化LDL受容体を介して、動脈壁内膜に取り込まれ、脂質沈着がおこる(ゼラチン病変)。  さらに、酸化LDLは、受容体発現数の制御が無いスカベンジャー受容体を介してマクロファージに貪食され、酸化LDLが消化されないと、マクロファージが泡沫化して自己崩壊し、コレステロールが動脈壁に蓄積して、プラークが形成されると言われます。
 マクロファージに貪食された酸化LDLは、リソソームで分解・消化を受けますが、コレステロールエステルは、分解・消化されないので、不溶性物質として残り、マクロファージが死滅した後も、動脈内壁に沈着・蓄積し、粥状動脈硬化症を形成すると考えられています。
 さらに、酸化LDLは、動脈硬化を起こすのみでなく、酸化LDLは、血栓ができやすい体質にします。

 ⇒ 動脈硬化症(EPA)

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]