Subject   : 小腸(small intestine)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 小腸(small intestine)
消化管の一部で消化と吸収を行う。
胃と大腸の間にあり、十二指腸(約30cm)、空腸(約250cm)、回腸(約350cm)からなり、全長は6m以上に達する。十二指腸は固定されているが、他の空腸・回腸はかなり自由に動く事ができる。肝臓からの胆汁や、すい臓からの酵素は十二指腸へ分泌され、消化反応の大部分はここで行われる。小腸の内壁は輪状のひだになっており、その表面には数百万もの絨毛と呼ばれる指状の突起があり、これが小腸の表面積を増大させている。これは柔突起とも呼ぶ。さらに、絨毛の表面には数千の微絨毛があり、さらに表面積を増やしている。表面積はテニスコート2面分にあたる。一つの細胞からおよそ60000の微絨毛が突き出している。

■ 十二指腸
十二指腸(じゅうにしちょう)は、胃と小腸をつなぐ消化管である。長さが約30cmあり、直訳すると「12インチの腸」となるところを、インチという単位を知らなかった当時の人によって「指」と訳されたものだそうです(指12本分ならば1本の指が2.5センチ分です)。大部分が後腹膜に固定されており、移動しない。
空腸と回腸と違い腸間膜に包まれないので無腸間膜小腸と呼称する場合もある。
十二指腸は胃から排出された食物を小腸へ送る。また十二指腸の中ほどにあるファーター乳頭部に胆管および膵管が開口しており、肝臓から胆汁を、膵臓から膵液を受ける。十二指腸から分泌されるエンテロキナーゼは、膵液中のトリプシノーゲンを活性化しトリプシンに転換する。
その後、脂肪、タンパク質、炭水化物を分解し、栄養素を小腸に送る。

■ 空腸(jejunum)と回腸(ileum)
十二指腸から続く小腸の一部で、回腸に続く。空腸と回腸は十二指腸と違い腸間膜があるので、空腸と回腸を総称して腸間膜小腸と分類する場合もある。
空腸と回腸の明確な解剖学的境界は無いが、おおむね口側の2/5が空腸、残りの3/5が回腸とされる。
肉眼的特徴としては内部に輪状襞(輪状ヒダ)と腸絨毛を認め、回腸よりやや太い。内壁にパイエル板(集合リンパ小節)がみられることもあるが、回腸より数は少ない。
また、腸液が分泌され、最終消化を行うところでもある。
空腸の名の由来は、死体解剖を行った際に内容物が見られなかった(「空っぽ」の空)ことに由来する。
回腸は、空腸から続く小腸の一部で、大腸(結腸)に続く。空腸と回腸は十二指腸と違い腸間膜があるので、空腸と回腸を総称して腸間膜小腸と分類する場合もある。 回腸は、回盲弁によって大腸(結腸)に続く。
肉眼的特徴としては内部に輪状襞(輪状ヒダ)と腸絨毛を認め(ただし空腸よりは疎である)、空腸よりやや細い。特に回腸下部にはパイエル板(集合リンパ小節)が多数みられる。
 ⇒ 小腸と腸液

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