Subject   : 直腸と肛門

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 直腸と肛門
S状結腸が仙骨前面に達すると直腸になり、その前面を“仙骨の湾曲に沿って”下降する。骨盤の下壁に届くと急に後方へとほぼ直角に屈曲して外界に開く(外界開口部は肛門)。直腸の長さは個人差はあるが、凡そ20cm前後である。
直腸は他の大腸と同じく「粘膜」「筋層」「漿膜」の3層より構成される(下部直腸は腹腔外にあるため漿膜は存在しない)。大腸では消化作用は殆ど無く、水の吸収が主である。上皮は“単層円柱上皮”で覆われている。

また、肛門の表面は機械的な刺激に強い“重層扁平上皮”で覆われている。 肛門の真上では内輪筋が特に発達しており、内肛門括約筋を構成する。 平滑筋で出来たこの括約筋のほかに、横紋筋で出来た外肛門括約筋がある。
前者は反射的に、後者は意思に従って肛門を開閉する。直腸と肛門は解剖学的には 上皮で区別されるが、外科学的には肛門括約筋より上部が直腸、下部が肛門管と 解剖学的な区別より上位となっている。

直腸は上部からRs、Ra、Rbの3つに分けられる。RsとRaは第2仙椎下縁で、RaとRbは腹膜反転部で区別される。特にRaとRbの区分は重要であり、どちらに病巣があるかで、手術様式が変わってくる。注腸造影や内視鏡検査の際には、第2ヒューストン弁が腹膜反転部の部位とほぼ一致するため、病変の位置を知る大きな目安となる。
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