Subject   : 樹状細胞(dendritic cell)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 樹状細胞(dendritic cell)
樹状細胞は骨髄で作られ免疫に関わる組織です。 B細胞、マクロファージのようにT細胞に抗原を提示する能力を持ちます。 樹状細胞にはいくつかの種類に分類され、これらは全て、骨髄中や臍帯血中のCD34+造血幹細胞から作られる。

細胞名 場所 メモ
ランゲルハンス細胞 皮膚 クラスUを持つ
ヴェール細胞 輸入リンパ液 クラスUを持つ
指状嵌入細胞 IDC T細胞領域 クラスUを持つ
胸腺樹状細胞 胸腺 クラスUを持つ
濾胞樹状細胞(FDC) 脾臓 クラスUなし、B細胞に抗原提示

 樹状細胞は生体内で最も強い抗原提示細胞(APC:antigen presenting cell)で、腫瘍抗原と組み合わせることにより、患者体内で腫瘍特異的キラー細胞(CTL)を誘導します

● 濾胞樹状細胞(FDC)
FDCは他の樹状細胞と異なり、一次濾胞に存在し、B細胞とクラスターを形成してB細胞の活性化に関与している。 T細胞領域で適切なヘルパーT細胞により活性化されたB細胞の一部は一次濾胞に遊走し、増殖を開始して、FDCとともに胚中心を形成する。 B細胞は多様な抗体を発現する中心細胞へと分化したあと、はFDCの発現する抗原と親和性を持つ中心細胞はメモリーB細胞、形質細胞へと分化する。

● ランゲルハンス細胞
皮膚に存在する樹状細胞としては、ランゲルハンス細胞と真皮樹状細胞の二つがあるが、アトピーでもっとも重要な樹状細胞として表皮有キョク層にあるランゲルハンス細胞がある。
このランゲルハンス細胞(LC)は細胞質内に特徴的なBirbeck顆粒を持つ点やE-カドヘリンを発現している点で他の樹状細胞と区別され、 CD33+ミエロイド系前駆細胞からCLA+,CD1a前駆細胞を経て、GM-CSFとTNF-αの作用で作られるか、もしくは、CD14+単球からも GM-CSF,TNF-αに加えてTGF-βの存在下にLCを誘導できる。

 ⇒ サイトカイン(生理活性物質)

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