Subject   : サイトカイン(生理活性物質)

カテゴリー  : 学術情報 


 サイトカイン(生理活性物質)
サイトカインは抗原刺激を受けたマクロファージ、リンパ球などの細胞が放出する因子(Cytokine)で生理活性物質といわれます。 (「細胞」="cyto" + 「作動因子」="kine")
T細胞や抗原提示細胞,マスト細胞,組織構成細胞 より分泌され,ほかの白血球,炎症細胞の機能を調節する蛋白分子.ホルモン とは異なり臓器を越えて作用することはなく,炎症局所で働くことが多い.白血球の遊走(ケモタキシス)に関係し, 構造的に類似性の高い一群のサイトカインを特に, ケモカインという場合がある.
■ サイトカインの種類
  • インターロイキン (IL-1〜18)
  • インターフェロン  (IFN-α IFN-β IFN-γ)
  • リンホトキシン (LT)
  • 腫瘍壊死因子 (TNF)
  • 顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GM-CSF)
  • 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
  • マクロファージ・コロニー刺激因子 (M-CSF)
  • エリスロポエチン(EPO)・・・赤血球前駆細胞の増殖・分化
  • トロンボポエチン(TPO)
  • 造血幹細胞因子(SCF)
  • 単球走化活性化因子(MCAF)
  • トランスフォーミング増殖因子 (TGF-α、TGF-β)
  • 線維芽細胞増殖因子(FGF)
  • 上皮細胞増殖因子(EGF)
  • 骨形成誘導タンパク(BMP)
  • 角質細胞増殖因子(KGF)
  • 血小板由来増殖因子(PDGF)
  • 神経細胞増殖因子(NGF)
  • インスリン様成長因子(IGF)
  • 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)
  • 肝細胞増殖因子(HGF)

■ サイトカインの一般的な性質
1)ホルモンと同様に、きわめて微量で効果を発揮する。
2)ホルモンと同様に、標的細胞特異性を示し、産生はフィードバック調節を受ける。
3)1種類のサイトカインは、複数の多様な機能を示す(機能の多様性)。
4)複数のサイトカインが同じ機能を示す(機能の重複性)。
5)サイトカイン間での相互依存性(サイトカインネットワーク機構)が存在する。
 4)は、複数のサイトカインが標的細胞内に共通のシグナル伝達系をもっているため、同じ反応を引き起こすのである。たとえば、IL‐6、IL‐11とLIF(白血病抑制因子)は、細胞表面上のそれぞれに特異的なレセプターに結合するが、結合後のレセプターを介する細胞内シグナル伝達は、いずれのサイトカインの場合にも同じ糖蛋白(gp130)を介して行われるために、これらのサイトカインは多くの共通した生物活性を示すのである。
 5)は、あるサイトカインが産生されると、そのサイトカインが第2のサイトカインを誘導し、さらにそれに依存して第3のサイトカインが誘導されてくるというカスケード現象が引き起こされる。また多くのサイトカインは、他のサイトカインの産生を誘導、促進するが、一部のサイトカインは他のサイトカインの産生を抑制する。
 このように、1つのサイトカインが複数の作用を示す一方、複数のサイトカインが同一の作用を示し、かつサイトカインの産生には、種々のサイトカイン間での相互依存性がみられるのである。
免疫反応だけでなく、個体発生をはじめとする様々な生命現象の局面で細胞の対話にサイトカインが使われていることも分かってきました。サイトカインは生物の個体が生きていくため、また生体の恒常性を維持するために重要な働きをしています。

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