Subject : プロスタグランディン
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
プロスタグランディン
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細胞膜アラキドン酸は刺激を受けると,
ロイコトリエンやプロスタグランディンに変化し,細胞外へ放出される。
これらを脂質メディエーターという.リポキシゲナーゼの作用が強いとロイコトリエンが,シクロオキシゲナーゼの作用が強いとプロスタグランディンがつくられる.脳の発熱中枢ではインターロイキン6刺激によりプロスタグランディンがつくられ発熱が開始されるほか,関節痛や頭痛の原因になる.アスピリンなど多くの解熱鎮痛剤はシクロオキシゲナーゼの作用を抑制する.
アラキドン酸が血管壁に取りこまれてプロスタグランジンI2となり、何らかの刺激、たとえば血栓ができたりすると、血栓を防ぐ働きをします。まったく同じ物質が血小板か血管壁か取りこまれる場所によって、相反する働きをするということです。
この相反する働きがあるからこそ、私たちのからだは出血しても血が止まるし、血栓ができることもないし、バランスがとれて生命活動が維持できることになるのです。
しかし、歳をとるとともに血栓ができやすくなり、このバランスは崩れるのだそうです。歳とともに血管壁が老化し、そのためにプロスタグランジンの産生が少なくなって、トロンボキサンA2とプロスタグランジンI2の産生の比率が変化するのではないかといわれています。
グリーンランドエスキモーが多食する魚やアザラシの肉からはEPAが血液中に多く含まれるようになりますが、EPAもアラキドン酸と同じように血管壁でプロスタグランジンI3を出し、血小板ではトロンボキサンA3を産生します。プロスタグランジンI3はI2と同様に血小板凝集作用はなく、トロンボキサンA3はA2と違って血小板で凝集作用を起こさないのです。
つまりアラキドン酸からはトロンボキサンA2が強力な血小板凝集を起こすが、EPAからのプロスタグランジンI3、トロンボキサンA3は ともにその作用がないため、血栓を作りにくい体になるということです。これがグリーンランド・エスキモーが血栓を作りにくい体質をもっているという理由なのです。
⇒
炎症に関与する物質
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