Subject   : ユビキノン(CoQ)

カテゴリー  : 学術情報 > 化学


 ユビキノン(ubiquinone)
 キノン(quinone)は、芳香族化合物において、同じ環にある2個の水素原子が、2個の酸素原子で置換された構造(ケトン構造)の化合物のこと。狭義では、専ら、ベンゾキノンを意味します。
 ユビキノン(CoQ)は、ベンゾキノン骨格と、そこから伸びるようなイソプレン単位(イソプレン鎖)から、構成されている。 比較的長いイソプレン側鎖を持つので、その疎水性がゆえに膜中に保持されることとなる。酸化還元電位(Eo')は+0.10V。

 ユビキノン(ubiquinone)は、電子の受容体として、生体内で、重要な働きをしている。
 ユビキノンは、ミトコンドリアの電子伝達系で、電子伝達に関与する。 電子伝達系において呼吸鎖複合体TとVの電子の仲介を果たしている。
 ユビキノンは、補酵素Q(CoQ:コエンザイムQ)とも呼ばれる。  ユビキノンは、水素原子の電子を受容し、還元型のユビキノールになる。  ユビキノールは、血中では、抗酸化物質として、作用する。 

 ユビキノン(CoQ)は、キノン化合物で、ユビキノン(酸化型:CoQ)、ユビセミキノン(ラジカル型:CoQH)、ユビキノール(還元型:CoQH2)の、三つの酸化状態を取ることが出来る。
 セミキノン型は、不対電子をもつ、フリーラジカル。セミキノン型は、安定で、電子の受容体にも、供与体にもなれる。

 ユビキノン(CoQ)以外に、ピロロキノリンキノン(PQQ)も、生体内の酸化還元反応の補酵素として、重要な役割を果たしていると言う。  ビタミンK2(メナキシン)も、キノン化合物。

 ユビキノンは、哺乳動物では、イソプレン単位の数が、10ケなので、Q10。なお、Rの数は、イーストや細菌では、9〜6。ちなみに、Rの数は、ヒト、ブタ、ウシ、大豆などでは10ケ、ラット、マウス、麦などでは9ケ、大腸菌などでは8ケ、カンジダ属酵母では7ケと言われる。  ユビキノン(Q10)は、補酵素(コエンザイム:Coenzyme)として機能するので、CoQ10(Coenzyme Q10:コエンザイムQ10)とも、呼ばれる。

 ⇒ コエンザイム Q10

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