Subject   : 核膜と核質

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 核膜
細胞の核に見られる主要なものは、 核膜と核質(真性染色質、異性染色質、核小体、核基質など) です。

核膜 は、 核を取り囲んでいる袋状の膜 。
 内側:核内膜 
 外側:核外膜(小胞体膜と連続している。リボソームが付着。)

核を包んでいる核膜(nuclear envelope)は二重の膜で、たくさんの核膜孔(nuclear pore)が開いていて、核の内部とサイトゾールとをつないでいる。 遺伝子は核の内部に染色質という形で納められていて、その情報は核膜孔を通ってサイトゾールに運ばれ、これをもとにタンパク質の合成が リボソームでおこなわれます。 ふだんの核はそうは見えないが、クロマチンのあちらこちらで細胞の通常の活動に必要な遺伝子から遺伝情報が読み取られ、サイトゾールへ送られている。
 核質
 ● 真性染色質
分散クロマチン:転写のために拡がっている染色質。 染色質とは、 DNA がヒストン(塩基性タンパク)に巻き付いたもの。 様々な種類のタンパクを合成している細胞では、分散クロマチンが多く、核が明るく見える。

 ● 異性染色質
濃縮クロマチン:使われないで、核周囲にしまわれている染色質
タンパク合成の盛んでない細胞や、もっぱら少数のDNAの転写だけをおこなっている細胞では、濃縮クロマチンが多く、核が暗く見える。

 ● 核小体(仁)
rRNAを作る場所。タンパク合成の盛んな細胞では、発達していて大きい。
核内で作られたRNAと細胞質で作られ核内に運ばれたタンパク質からリボゾームがつくられる。作られたリボゾームは細胞質に出て、タンパク質の合成に使われる。リボソームの構成要素であるRNAは、rRNA(ribosomal RNA)と呼ばれる。

 ● 核基質(核液)
染色質と核小体以外の部分。

元気な細胞・若い細胞は、核の明るさが明るく、核や核小体が大きい。 少数の特定タンパクだけ作っている細胞は、暗く、核小体が大きい。 老化した細胞では、核の明るさが暗く、核や核小体が小さい 。
 ⇒ 真核細胞(eucaryotic cell)

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