Subject   : ロイコトリエン拮抗薬

カテゴリー  : 学術情報 > 薬学


 ロイコトリエン拮抗薬
 ロイコトリエン拮抗薬は、ロイコトリエンの受容体への結合を阻害し、抗アレルギー作用、抗炎症作用を示す。ロイコトリエン拮抗薬(montelukast、pranlukast、zafirlkast)は、LTC4、LTD4、LTE4(CysLT)のCysLT1レセプター(気管支平滑筋収縮、血管透過性亢進に関与する)への結合を阻害する。ロイコトリエン拮抗薬は、CysLTによる肺血管平滑筋収縮作用(CysLT2レセプターが関与する)をは、阻害しない。

 ロイコトリエン(LT)のLTC4、LTD4、LTE4は、気道(気管支)の炎症細胞(肥満細胞など)から放出され、気管支平滑筋を収縮させる。
 ロイコトリエン(LT)のLTC4、LTD4、LTE4は、気管支喘息での気道狭窄(即時型と遅発型)、気道炎症を引き起こす。ロイコトリエン(LT)の合成阻害薬(遊離抑制剤)や、拮抗薬は、気管支拡張作用や、気道炎症抑制作用を現す。
 気管支喘息では、抗原(アレルゲン)刺激により、即時型気道収縮(抗原刺激直後から収縮し、15〜20分後に最大になり、1時間以内にほとんど消失する)と、遅発型気道収縮(数時間後に起こる)との二相性反応(収縮)を起こす。即時型反応では、肥満細胞から脱顆粒が起こり、ヒスタミンが放出されたり、ロイコトリエン(LT)が新生され、気管支平滑筋が収縮する(気道収縮が起こる)。遅発型反応では、気道局所に遊走・浸潤して来る炎症性細胞(特に好酸球)からロイコトリエン(LT)やPAFなどが放出され、気管支平滑筋が収縮する。ロイコトリエン拮抗薬(LTレセプター拮抗薬)は、ロイコトリエンによる気管支収縮を抑制し、気管支拡張作用を現す。

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