Subject   : 酵素を標的にする薬

カテゴリー  : 学術情報 > 薬学


 酵素を標的にする薬
受容体ではなく、化学反応の速度を調節する酵素を標的にする薬もあります。酵素を標的にする薬は、阻害薬もしくは賦活薬(誘導物質)として分類されています。たとえば、コレステロールを下げる薬のロバスタチンは、HMG-CoA還元酵素と呼ばれる酵素を阻害します。これは体内のコレステロール産生に非常に重要な酵素です。抗生物質リファンピシンの副作用は、経口避妊薬の代謝に関与する酵素を活性化することです。経口避妊薬を服用している女性がリファンピシンも服用すると、避妊薬が通常よりも速く代謝、除去されてしまい、効果がなくなってしまう可能性があります。

薬と受容体、あるいは薬と酵素の間の相互作用は、ほとんどが可逆的です。しばらくして薬が付いたところから離れると、受容体や酵素は正常な機能を取り戻します。中には相互作用の大部分が不可逆的で、体がより多くの酵素をつくれるようになるまで、薬の作用が続くものもあります。たとえば、胃食道逆流や潰瘍の治療で使用される薬オメプラゾールは、胃酸の分泌に関与する酵素を不可逆的に阻害します。

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