Subject   : 5-HT3受容体拮抗剤

カテゴリー  : 学術情報 > 薬学


 5-HT3受容体拮抗剤
 嘔吐の刺激伝達にはセロトニン受容体の一種である5-HT3受容体が深く関与しており、5-HT3受容体拮抗剤が抗悪性腫瘍剤により誘発される悪心、嘔吐に有効であることが確認されました。

 抗癌剤服用に伴う種々の副作用が、癌治療の面でも大きな問題となっています。
 癌化学療法による強い悪心、嘔吐が食欲減退や体重減少、栄養状態の低下などを来たして患者の体力の消耗、全身状態の低下を招きます。また、治療への不安感を高め、患者が以後の治療を拒否し治療の継続を困難にする場合もあります。さらに強い悪心、嘔吐のために抗悪性腫瘍剤の与薬量が制限され、治療効果を低減させる原因になることもあります。

 抗悪性腫瘍剤の服用や放射線の全身照射は、消化管の小腸粘膜に存在するEC細胞を刺激し、セロトニンの分泌を促進します。分泌されたセロトニンは、求心性腹部迷走神経末端にある5-HT3受容体に結合し、その刺激は直接あるいはCTZ(化学受容体)を介して嘔吐中枢に伝達されます。嘔吐中枢に伝達された刺激はさらに上位の中枢領域へと伝達され、悪心や嘔吐反応が起こると考えられています

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