Subject : ドラッグデリバリーシステム(DDS)
カテゴリー : 学術情報
ドラッグデリバリーシステム(DDS:Drug Delivery System)
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薬物の体内動態を制御し、必要な所に必要な量だけ薬物を送達する機能を持つ
システムのことです。
薬物送達システムまたは薬物輸送システムともいう。胃酸で分解されずに腸まで届くカプセルや、血液中から特定の細胞にのみ薬剤を送るものから、磁場や超音波を利用して薬物の送達を外部からコントロールする方法などがある。また、最近ではマイクロマシンを利用した精密なドラッグ・デリバリー・システムも研究が進められている。ピンポイントで投薬することができるため、薬剤の投与量を最低限に押さえ、利用効果を高め副作用の軽減も期待できるとして注目されている。
目標とする患部のみに薬剤を送ることで、具体的には副作用を抑えたり使用時の患者・医療従事者の負担を減らしたりする狙いがある。
背景としては、科学の進歩・市場のグローバル化により、製薬企業が自らの投資の中で新たな薬効を発見して新薬を作ることが困難になってきていることがある。むやみに新規の薬効を追求するよりも、その薬効を患部に届けるプロセスの改善をした薬を作ることで患者のQOLが改善するという、「ドラッグデリバリーシステム改善」の視点を重要視する製薬企業が多くなっている。
薬物送達システム。薬を体の必要な場所に必要な時に、必要な量を効率良く運搬し、必要でない部位には運ばないように工夫した薬の投与方法です。
薬物の効果は体内に投与された薬物が、目的とする標的部位に到達することによって発現する。従来の薬物投与法では、体内に投与された薬物は目的とする標的部位にまで効率的に到達することができないばかりか、代謝・排泄を受けたり、ある部位にトラップされたりするので、有効濃度を維持することが困難である。
このため、薬理活性を示すに必要な濃度を全身において維持するために、投与する薬物量は多くなり、副作用が生じてしまう。標的性のある製剤を調製し、標的部位において薬剤が有効濃度に達するように調整すると、このような欠点を克服することができる。
このように“必要なときに、必要な量の薬剤を、必要とする部位に到達させる”仕組みがDDSなのである。
例えば狭心症の治療に使われるフランドルテープがあります。このテープを胸に貼りますと、薬はテープから皮膚に移り、そこから徐々に血液を通して心臓に運ばれて作用を現します。
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