Subject   : 分子イメージング

カテゴリー  : 学術情報 


 分子イメージング
 分子イメージングとは、生物が生きたままの状態で、生物を構成するタンパク質や酵素などの様々な分子の動きや働きを画像化し、観察する技術である。

特に、ヒトの体の中で起こっている反応を体を傷つけずに見ることで、早く正確な病気の診断や薬の効果の検証が可能となる。例えば、ポジトロン断層撮影法(PET)による画像で小さながんの診断ができるようになり、急速に日本中に広まっている。

悪性腫瘍(がん)や神経疾患(アルツハイマー病等)は、通常、体の組織の異常な変化として発見されます。 例えば、がんであれば、何らかの理由でDNAや細胞を構成しているたんぱく質に異常が起こっています。やがて細胞の活動が変化し、時間がたつにつれ組織の形の大きな変化となって発見されます。がん診断に主に用いられているCTやMRIといった医療用イメージング機器は、このがん細胞が増殖した様子を「形態」の変化として画像に写し出す装置です。 ところが、がん化する細胞をよく観察すると、「形態」の変化が起こる前に、より小さな分子レベルの「活動」の変化が起こっていることがわかってきました。 例えば、がん細胞では正常な細胞に比べ、ブドウ糖が多量に消費されています。 このような、分子レベルの「活動」の変化を画像にできれば、より早い段階でがんやアルツハイマー病になる小さな病変を見つけ、治療することが可能になります。 こうした、分子レベルの「活動」をそのまま(生きたまま)画像にし、疾患を早く発見できる技術として注目されているのが、分子イメージング技術なのです。

 ● 分子プローブ
 標識薬剤。疾患の原因となる遺伝子やタンパク質を認識することができる分子。蛍光や放射線などを発生するため、これらのシグナルをイメージング機器で捉えて画像化する。
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]