Subject   : がん(悪性腫瘍)の遺伝子検査

カテゴリー  : 学術情報 


 がん(悪性腫瘍)の遺伝子検査
「ガン」は悪性腫瘍である全てのものが含まれ広い意味で使用されています。

正確には白血病や骨髄腫など造血臓器から発生する悪性腫瘍と乳がんや 大腸がんなどの上皮性の悪性腫瘍、そして骨肉腫などの非上皮性の悪性 腫瘍をまとめた固形腫瘍があります。

遺伝子検査では、それぞれの「がん」に関連する特定の遺伝子を検査し、 その「がん」病型や進展度の確定診断や治療方針の決定、治療効果の モニタリングなどに役立てています。

悪性腫瘍の遺伝子検査
・造血臓器(白血病、リンパ腫など)
 病型の確定診断、治療方針の決定
 治療効果のモニタリング
・固形腫瘍(癌、肉腫など)
 腫瘍組織の病型、進展度の診断
 遺伝性腫瘍の保因者診断  発症前・出生前診断
 体液中の腫瘍由来細胞の同定、定量
 悪性度の推定など

 ● 造血器腫瘍の検査(白血病など)
造血臓器の「がん」は、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病などが有名ですが、これらの白血病は異なった2つの遺伝子がそれぞれ異なった部位に結合することが判っています。 慢性骨髄性白血病の95%以上が9番染色体と22番染色体が転座、つまり9番の染色体の一部が22番染色体に、22番染色体の一部が9番染色体に結合しています。
異なった染色体の一部がお互いに入れ替わることを転座(相互転座)といいます。
また、急性骨髄性白血病では、M2の約40%が8番と21番の染色体が、M3の約80%が15番と17番染色体が相互転座を起こしています。
つまり、遺伝子検査によりこれらの転座が証明されることにより、白血病の病型とその悪性度などの詳細が判るのです。 ハイブリダイゼーションでは、正常ならばグリーンとピンクがほぼ同じところで発色します。白血病で、転座を起こしていると離れて発色します。

 ● 固形腫瘍の検査(肺がんなど)
現在、「がん」の遺伝子検査には、直接「がん」に働く癌遺伝子と、 「がん」になることを防いでいる癌抑制遺伝子のどちらかの遺伝子を調べています。

他の癌遺伝子では、erb:乳がん、胃癌、 N-myc:神経芽細胞腫、肺の小細胞癌、 c-myc:子宮頸がん、 H-ras:大腸がん、乳がん、膀胱がん、などの癌遺伝子が調べられています。
 ⇒ 遺伝子検査

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]