Subject   : アミノ配糖体抗生物質(Aminoglycoside antibiotics)

カテゴリー  : 学術情報 


 アミノ配糖体抗生物質(Aminoglycoside antibiotics)
 アミノ糖またはアミノサイクリトールを含む抗生物質である。

一般には無色で水によく溶ける塩基性物質である。現在、放線菌や細菌から150種以上発見されているが、その内ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなどは細菌の発育を阻止するので、有用な医薬として広く用いられ、カスガマイシンとバリダマイシンは真菌(かび)の発育を阻止するので農薬として用いられている。また、ハイグロマイシンとデストマイシンは家畜や家禽の駆虫薬として有用である。

 ○ カナマイシン (kanamycin)
 アミノグリコシド系抗生物質の一種。1957年に梅澤濱夫によってストレプトマイセス・カナマイセティカス (Streptomyces kanamyceticus) から発見された。有機化学による全合成が可能であるが、工業的には微生物による生合成により生産されている。水溶性で有機溶媒に対しては難溶。多くは硫酸塩の形で利用される。置換基の異なるベカナマイシン(カナマイシンB)などがある。
細菌性のリボソームと反応してその翻訳及びタンパク質合成を阻害することにより毒性を発揮する。この毒性は真菌類には発揮されない。ヒトに対しては若干聴覚神経への毒性が認められるが、ストレプトマイシンと比較すると弱い。
 ⇒ 抗生物質の構造による分類

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