Subject : トガウイルス(Togavirus)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
トガウイルス(Togavirus)
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+の極性を持つ1本鎖RNAウイルスで、エンベロープを被っているトガウイルス、コロナウイルス、エンベロープを持たない植物ウイルスのタバコモザイクウイルスが同じ群にはいる。
Togavirus科には、Semliki forest virus、西部馬脳炎ウイルス(以上 alphavirus属で昆虫が媒介する)、風疹、などがある。風疹はヒトで流産や奇形の原因となる。生ワクチンが予防に有効である。これ等の alphavirusは12kb位のゲノムサイズである。
picornavirusなどとは異なり、非構造遺伝子が5'側に、構造遺伝子が3'側にある。ゲノムサイズのRNAからはポリメラーゼなどの非構造蛋白が読まれ、右半分の subgenomic RNA からは構造蛋白が読まれる。いずれも前駆体蛋白をコードしてプロテアーゼで切断され成熟蛋白となる。
これにやや似ているのが、coronavirusである。ヒトの「かぜ」にもこの仲間のウイルスによるものがある。ゲノムサイズのRNAに加え、subgenomic RNAが出来る。subgenomic RNAそれぞれは単一の蛋白をコードしそれ以上の processingは起こらない。各 subgenomic RNA は5'端を共有する。遺伝子の配列は非構造遺伝子、構造遺伝子入り交じって位置する。
中国広東省にはじまり、2003年前半世界に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因ウイルス、SARSコロナウイルスもこの仲間である。
植物ウイルスであるたばこモザイクウイルスはゲノム構造からは、この仲間に入る。しかし、エンベロープは持たない。 subgenomic RNA から全部で5つの蛋白を作る。
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