Subject : ACE2(Angiotensin-converting enzyme 2)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
ACE2(Angiotensin-converting enzyme 2)
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ACE2(Angiotensin-converting enzyme 2、アンジオテンシン変換酵素II)は、ACEHとも呼ばれ、ACEファミリーの亜鉛メタロプロテアーゼであり、レニン-アンジオテンシン系の重要な調節因子です。ACE2は、ACEよりも組織分布が制限されており、主に心臓、腎臓、精巣でみられます。一方、その他の様々な組織では低濃度で検出されます[PMID: 15983030]。
ACE2は、アンギオテンシンUからアンギオテンシン1-7への変換を触媒するアンギオテンシン変換酵素2(angiotensin converting enzyme 2)の略称。細胞表面に存在する。
ACE2は、呼吸器系の肺胞細胞、腸上皮細胞、内皮細胞、眼や腎臓の上皮細胞、肺胞単球細胞やマクロファージなど一部の免疫細胞、大脳皮質、脳幹などの神経系細胞などにも広く存在し、特に、血管、消化管、呼吸器、排泄系、生殖系の細胞で高い発現が確認されている。
ACE2は、ヒトコロナウイルスSARS-CoVおよびSARS-CoV-2の機能的受容体であることが示されています[PMID: 32142651]。SARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質に存在する受容体結合ドメイン(RBD:Receptor-binding domain)は、ヒト細胞表面のACE2(Angiotensin-converting enzyme 2、アンジオテンシン変換酵素-2)に結合して、ウイルス侵入を開始します。したがって、スパイク(S)タンパク質は、宿主の免疫応答(抗体産生)において、コロナウイルスに対する中和抗体の産生で重要な標的とされています。
新型コロナウイルスが細胞へ感染するときの細胞表面受容体。
、SARS-CoV-2感染の約3%のケースで、免疫系の過剰反応(hyper-activation of immune system)によるサイトカインストーム(cytokine storm)が誘導され、多臓器疾患が観察されている。
- ■ 新型コロナウイルスによるACE2の発現
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SARS-CoVとSARS-CoV-2の両方は、ACE2を細胞に感染するときのウイルス受容体として使用する。
新型コロナウイルスに感染すると、まず、自然免疫系の低下によりウイルスがたくさん増える事になります。次に獲得免疫系が働く段階でウイルス感染細胞(ACE2発現細胞)が一斉に排除されます。それにより、もともと低下していたACE2の免疫調節機能が完全な破綻をおこして、炎症のコントロールが効かなくなり免疫の暴走が起こると考えられます。
SARS-CoV-2感染患者では、嗅覚の消失、味覚の変化、運動障害、吐き気、頭痛など神経系の障害が観察されることがある。
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