Subject : 膜タンパク質(Membrane protein)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
膜タンパク質(Membrane protein)
-
膜タンパク質(Membrane protein)は、細胞または細胞小器官などの生体膜に付着しているタンパク質分子である。Mタンパク質とも言われる。
タンパク質全体の半分以上が膜と関係している。膜タンパク質は、膜との関係の強さによって2つに分けられる。内在性のものと表在性のものであり、翻訳後修飾で脂肪酸、フェニル基鎖、グリコシルホスファチジルイノシトールなどが付加され、これらがアンカーとなって脂質二重層に繋ぎとめられる。
<出典:HealthWordsWiki>
表面タンパク質の一種。角質細胞と接着し、皮膚への定着に関与する定着因子。また補体活性化因子やフィブリノーゲンと結合することで、抗食菌作用も持つ。またヒト心筋のタンパク質(ミオシンやトロポミオシン)と共通の抗原性を持っており、宿主への分子擬態に関与するとともに、これに対する抗体が自己反応性抗体として作用することで、リウマチ熱などの自己免疫疾患の発症に関わると言われている。Mタンパク質の菌株ごとの抗原性の違いが、化膿レンサ球菌の血清型別に関与する。
- ● 内在性膜タンパク質(Integral membrane proteins)
-
膜内在性タンパク質・複合膜タンパク質・統合膜たんぱく質は、常に膜に付着しているタンパク質であり、引き離すにはラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤または非極性溶媒を必要とする。
- ● 表在性膜タンパク質(Peripheral membrane protein周辺膜蛋白質)
-
疎水性相互作用、静電相互作用など共有結合以外の力によって脂質二重層または内在性膜タンパク質と一時的に結合しているタンパク質である。これを引き離すには高塩濃度の極性溶媒を必要とする。
- ■ コロナウイルスの膜タンパク質(Membrane protein)
-
感染中に最も多く発現するウイルスタンパク質であり、ウイルス粒子のアッセンブリにおいて重要なタンパク質であることが報告されています[PMID: 11967315、15351485]。膜(M)タンパク質は、βヒトコロナウイルス全体で保存されています。マルチプルシーケンスアラインメント解析では、Sars-CoV-2 膜(M)タンパク質変異体とコウモリ(Bat)およびセンザンコウ(Pangolin)分離株由来の配列の間で顕著な類似性(98%の同一性)を示しています[PMID: 32596311]。膜(M)タンパク質は、トリプルスパンニング膜貫通(TM)領域、N末端付近にビリオン外側に位置する1つのN‐グリコシル化部位、内部に長いC末端領域を含むと予測されています[PMID: 15626342]。
⇒
細胞膜と膜タンパク質
[メニューへ戻る]
[カテゴリー一覧]
[HOMEへ戻る]
[用語索引]
[前のページに戻る]