Subject   : 抗RNAポリメラーゼV抗体

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 抗RNAポリメラーゼV抗体
 抗RNAポリメラーゼV抗体は、全身性強皮症の自己抗体検査。びまん皮膚硬化型全身性強皮症にきわめて特異性が高い。  全身性強皮症は、皮膚や内臓の硬化を主訴とする原因不明の自己免疫疾患である。

一般に、びまん皮膚硬化型全身性強皮症は全身性強皮症として典型的な病態を示す。皮膚硬化範囲が全身に及び、臨床経過も急速に進行して重症となる場合が多い。

 抗RNAポリメラーゼV(抗RNAPV)抗体は、このびまん皮膚硬化型全身性強皮症にきわめて特異性が高い。日本人では、びまん皮膚硬化型全身性強皮症の約70%が抗Scl-70抗体陽性、約20%が抗RNAPV抗体陽性とされるため、両抗体を測定することはDiffuse型強皮症の診断に大変有用である。

 一方、限局皮膚硬化型全身性強皮症は皮膚硬化範囲が肘および膝より遠位に限局される。比較的軽症で推移し、予後も比較的良好で、抗セントロメア抗体が多く検出される。

 抗RNAポリメラーゼV抗体とこれらの自己抗体を併せて測定することは、それぞれの病型の鑑別に有用と考えられる。

 なお、抗RNAポリメラーゼV抗体の陽性例では、強皮症腎クリーゼを高率に併発するため、全身性強皮症の診断だけでなく、予後推定にも有用とされる。

<出典:LSIメディエンス>

 ■ 高値を示す病態
 全身性強皮症
 ⇒ 抗原と抗体

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