Subject   : 交叉耐性

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 交叉耐性
 生体や微生物に対して薬物を長期投与した際,投与開始時と同量を与えてもはじめと同様の効果が得られなくなり,当初の効果を得るために投与量を増加する必要が生じる現象を耐性と呼ぶ。

ある薬物に対して耐性が形成された時に,その薬物と類似の構造や作用を有する他の薬物に対しても耐性が生じることを,とくに「交叉耐性」という。例えば,アルコール常飲者の麻酔が効きにくいのは,アルコールに対する耐性が,麻酔薬(バルビツール系薬剤など)に対しても交叉耐性を生じるためである。この現象は,抗生物質,抗ウイルス薬,抗癌剤などさまざまの薬物でみられるが,併用療法に際しては,交叉耐性のない薬剤を組み合わせるのが原則となる。

<出典:医学用語解説集>

■ 交差耐性
 交差耐性(cross resistance)は、病原菌が殺菌剤に対して薬剤耐性(drug resistance)を獲得することに関する。
耐性(resistance)の発現を予防するため、医師は必要なとき以外には抗菌薬を使用しないようにし(かぜなどのウイルス感染症には抗菌薬を使用しません)、治療が完了するまで抗菌薬の服用を続けるように患者を指導します。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症のような一部の重篤な感染症の治療には、通常は2つ以上の薬を同時に併用しますが、これは2種類の薬に対して同時に耐性が生じる可能性が非常に低いからです。ただし、1つの薬を短期間使用した後に別の薬を使用した場合には、両方の薬に対する耐性が生じやすくなり、こうした耐性は特に結核の治療で問題となっています。
例としては、テトラサイクリン系化合物間、ストレプトマイシンとジヒドロストレプトマイシン、エリスロマイシンとオレアンドマイシンなどの抗生物質間の耐性の獲得である。

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