Subject   : CTLA-4

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 CTLA-4
 細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)は、免疫応答を負に調節する免疫チェックポイント受容体です。CTLA-4の阻害は、T細胞を直接賦活化し、制御性T細胞(Treg)によるT細胞抑制を解除し、長期にわたる抗腫瘍効果をもたらす可能性があります。より最適なCTLA-4阻害療法の研究開発が進められています。

CTLA-4は、活性化T細胞の表面に発現する免疫チェックポイント受容体です。 細胞傷害性T細胞上のCTLA-4が抗原提示細胞(APC)上のCD80/86に結合すると、T細胞の活性化が阻害されます。

APC上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によって抗原がT細胞受容体(TCR)に提示されることで、T細胞の活性化が始まります。
T細胞の完全な活性化には、さらに第2のシグナル(共刺激)が必要であり、T細胞上の主要な共刺激受容体であるCD28がAPC上のCD80およびCD86に結合することで免疫応答が維持されます。
CTLA-4の発現が上昇すると、CD80/86とCD28との結合に競合します。CTLA-4の結合によりT細胞の活性化が阻害され、免疫系のバランスが保たれます。
Tregに発現するCTLA-4を介したシグナル伝達は、免疫応答を抑制的に制御します。 Tregは、他の免疫細胞の活性および機能を抑制することによって、過剰な免疫応答を制御する役割を担っています。
Treg上のCTLA-4の持続的発現は、そうした抑制的作用に重要です。

<出典:Wikipedia>

T細胞表面の分子で,活性化T細胞あるいは制御性T細胞Tregに多く発現する.細胞外ドメインは副刺激分子CD28と近似しており樹状細胞上のCD28リガンド(CD80やCD86)と競合する.CD28はT細胞の増殖や活性化に必要な副刺激シグナルを発生するがCTLA4はこれを抑制する.通常のT細胞ではCTLA4は刺激後に誘導されるためにT細胞活性化の負のフィードバック制御因子としてとらえられてきた.またTGF-βの刺激でも発現が上昇する.しかしTregではFoxp3の転写促進機能によって定常状態で強く発現されており,Tregが樹状細胞上の副刺激分子リガンドをマスクすることによりナイーブT細胞の活性化やエフェクターT細胞への分化を抑制すると考えられる.Treg特異的にCTLA4を欠損させるとTregの活性が著しく減少することからCTLA4はTregの重要な機能分子の1つと考えられる.

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 ⇒ 抗原と抗体

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