Subject   : 安定トランスフェクション

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 安定トランスフェクション
 安定トランスフェクションでは、外来DNAは細胞内ゲノムに組み込まれるか、エピソーム性プラスミドとして維持されます。一過性トランスフェクションとは異なり、安定トランスフェクションは長期間にわたり外来DNAを導入細胞およびその子孫に維持することを可能とします。このように、安定トランスフェクションは、複数世代にわたり導入された遺伝子を持続的に発現させることを可能とします。これは、組換えタンパク質の生産、あるいは外来DNA発現の下流や長期的影響の解析に有用です。しかしながら、通常、安定的に導入細胞のゲノムに組み込まれるのは、1または2〜3コピーの外来DNAです。このため、安定的に導入された遺伝子の発現レベルは、一過的に導入された遺伝子の発現レベルよりも低い傾向があります。

外来DNAが安定的にゲノムに組み込まれることは比較的稀なイベントであるため、安定トランスフェクションを成功させるためには、効率的なDNA導入とそのDNAを取り込んだ細胞を選択する方法が必要とされます。導入されたDNAが安定的に発現している細胞を選択するための最も信頼できる方法の1つは、トランスフェクションに用いられるDNAコンストラクト上に選択マーカーを含ませて、短い回復期間後に細胞に適切な選択圧をかけるものです。

頻繁に使用される選択マーカーは、様々な選択試薬に対する耐性を与える遺伝子、あるいは導入される細胞系において欠損している必須遺伝子を補う遺伝子です。選択培地で培養すると、選択マーカーが導入されていない細胞あるいは一過的に導入された細胞は最終的に死滅し、抗生物質耐性遺伝子を十分なレベルで発現している細胞あるいは必須遺伝子の欠失が代償されている細胞は生存します。

他の方法としては、特定のケースにおいて、導入細胞における表現性または形態の変化をスクリーニング可能な特性として用いることができます。例えば、ウシパピローマウイルスマウス由来のベクターを導入したマウスCI127細胞は形態変化を生じます(Sarver et al.1981)。

<出典:Wikipedia>

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 ⇒ トランスフェクション(transfection)

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