Subject : 抗MDA5抗体
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
抗MDA5抗体
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抗MDA5抗体は、多発性筋炎/皮膚筋炎の中でも筋症状のみられない皮膚筋炎(CADM)に特異的な自己抗体です。また、本検査の陽性患者では難治性の急速進行性間質性肺炎になりやすいことがわかっています。そのため抗MDA5抗体の検出は、CADMの診断、治療法の選択、予後の予測に期待されています。
皮膚症状のみで臨床的に6ヵ月以上筋症状が認められない皮膚筋炎患者を無筋症性DM(clinically amyopathic dermatomyositis;CADM)と呼び、DMに特徴的な皮疹を有してはいますが、筋力低下などの症状に乏しく、CKや筋電図等の検査所見にも異常を認めることが少ないとされています。近年、免疫沈降法によりCADM患者の血清中に分子量140kDaのバンドが認められたことから、この自己抗体は抗CADMー140抗体と呼称されました。その後、この抗体の対応抗原がmelanoma differentiationーassociated gene 5(MDA5)であることが判明し、抗MDA5抗体と命名されたため、抗CADMー140/MDA5抗体と呼ばれることがあります。DM患者と比較し、抗MDA5抗体陽性(CADM)患者は高率に急性間質性肺炎(AIP)を併発し、その中の多くは急速に呼吸困難が進行する急速進行性間質性肺炎(rapidly progressive ILD:RPーILD)とされています。RPーILDは数日から数週間で急速に呼吸不全が進行し、強力なステロイド剤や免疫抑制剤投与などに対しても治療抵抗性で予後不良とされています。RPーILD合併CADMの報告例は日本を含む東アジア地域に多く、欧米諸国においても近年同様の報告が認められています。抗MDA5抗体はCADMに特異的に認められる自己抗体で、他の自己免疫疾患ではほとんど検出されず、成人DMにおける出現頻度は10〜25%とされています。また、抗MDA5抗体陽性の患者におけるRPーILDの合併頻度は50〜70%です。
DMは,特発性炎症性筋疾患の1つであり,骨格筋の炎症に伴う筋力低下や筋痛を主症状として,上眼瞼を中心とした浮腫性の紅斑(ヘリオトロープ疹)や関節伸側に限局する紅斑(ゴットロン徴候)などの典型的な皮疹を有することが特徴であるが,CADMはその中で臨床的に筋症状を認めないサブタイプである。
<出典:LSIメディエンス,岡山大学など>
- ■ 適応疾患
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筋症状のみられない皮膚筋炎(CADM)
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抗原と抗体
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