Subject   : 誘導ブリルアン散乱 (stimulated Brillouin scattering )

カテゴリー  : 光学 


 誘導ブリルアン散乱 (stimulated Brillouin scattering )
光ファイバの中で発生する非線形光学現象。あるパワー以上の光を光ファイバに入力した場合にほとんどの光信号が入射点で反射される現象をいう。

光ファイバのような媒質に光を入射すると、そのエネルギーの一部が媒質中で熱に変換され、熱振動を発生させる。この熱振動は媒質中に超音波を発生させるので、入射光の一部は波長が少しシフトされて散乱する。こうした現象を「ブリルアン散乱」と呼ぶ。入射光の強度が比較的小さい状態では、散乱光は微弱であり、またあらゆる方向に散乱される。しかし、入射光の強度が増加してある値(しきい値)を越えると、散乱光の強度が急激に増加して入射光のそれと同程度になる上に、その向きが入射と反対方向になる。このため、入射光はほとんど反射されて媒質中に入らなくなる。この現象が誘導ブリルアン散乱である。

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 ⇒ 非線形光学(NLO)
 ⇒ 半導体レーザー

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