Subject   : ファイバーレーザの特徴

カテゴリー  : 光学 


 ファイバーレーザの特徴
 ファイバーレーザーは固体レーザーの一種で、光ファイバーを媒質に用いたレーザーの総称である。ファイバーレーザーにはCW発振のものとパルス発振のものがあり。前者は高出力で切断や溶接に使われることが多く、後者は低出力で微細加工やマーキングに使われることが多い。一般的なファイバーレーザーは希土類添加ファイバーを増幅器として用い、光路がすべて光ファイバーで構成されている。 以下にファイバーレーザーには8つの長所がある。

1.小型軽量
2.メンテナンスが容易・優れた長期安定性
3.高利得
4.広利得幅
5.高効率
6.優れたビーム品質
7.高出力化が容易
8.長距離伝搬可能


バルク型固体レーザーでは高出力化に伴い、励起光吸収による熱レンズ効果や熱複屈折効果といった熱効果が顕著となるため、ビーム品質が大幅に低下する。このため、バルク型固体レーザーを開発する場合は冷却方法を慎重に設計しなければいけない。一方、ファイバーレーザーの冷却方法は空冷でよい。これはファイバーの[表面積/体積]比がバルク型固体レーザーに比べ4桁以上大く、放熱性に優れているためである。
ファイバーレーザーは、利得媒質としてコアに希土類(RE:Rare Earth)イオンを添加した希土類添加ファイバーが主に用いられる。希土類添加シリカガラスファイバーは、複雑な結晶場の影響を受けて微細構造のない幅広い準位を示すため、YAG結晶に比べて広帯域な光増幅が可能である。
モジュールの並列接続で出力を増加させることができるため、容易に出力向上が可能。50kW級の超高出力ファイバーレーザー(コア径100 μm のファイバー伝送)も既に実用化されている。 IPG社のレーザーシステムは、300W出力のシングルモードファイバーレーザーを並列モジュール接続し、ビーム結合することにより20 kW出力を達成している。

 ○ 超短パルス光の生成
超短パルス光を生成させるためには、モード同期レーザーの発振器が必要である。このモード同期レーザー光から出る超短パルス光を用いて、チャープパルス増幅(Chirped Pulse Amplification:CPA)を行うことにより、ペタワット級の超高強度ピーク出力レーザーシステムを構築することができる。
 ⇒ 非線形光学(NLO)
 ⇒ 半導体レーザー

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