Subject   : ホログラフィ(holography)

カテゴリー  : 光学 


 ホログラフィ(holography)
 物体をレーザー光などの干渉性の高い光で照明し、反射または透過した光(物体光)に、干渉性のある別の光(参照光)を重ねてできる干渉縞を写真として記録し、この写真に参照光と同じ光を照射すると、記録した物体の3次元の立体像が浮び上がる立体画像写真を作り出すの技術の総称。

1948年にハンガリー生まれの科学者デニス・ガボールGabor,Dennis/1900〜1979)によって発明された。このホログラフィの原理を利用した3次元情報を記録するホログラフィ・メモリも開発研究されている。1994年10月、NTTヒューマン・インタフェース研究所はホログラフィ技術を使った動く立体映像として、初めてホログラフィ映画を作った。この映画は、極端に狭い間隔のスリットを光が通過すると、光の進行方向が変わる回析現象を利用して、走っているフィルムに波長623ナノmの緑色のレーザー光をあてる技術で、何もない空間に動く立体映像を浮び上がらせた。目の位置を左右に動かすと立体映像の上面や側面まで観察できる。

将来テレビや映画に利用できる技術として注目を集めている。NTTは、強力なレーザーを撮影用に開発し、実際の物体を1/18秒で記録でき、再生には18コマを送ればリアルタイムで記録・再生できた。ただし、今後の課題として画質の改善やカラー化、スリットの数など解決すべき問題も山積みになっている。また、NTSCのテレビは、高さ1インチあたり50本程度の水平走査線で映像が認識できるのに対し、ホログラフィは1インチあたり約5000本の水平走査線が必要になることから、非常に偽造が困難といわれるほど高解像度が要求され、銀行券やクレジットカードなどの偽造防止用としてホログラフィが利用されるようになっている。

 ○
 

 ⇒ レーザーの種類
 ⇒ ホログラフィック・ステレオグラム

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]