Subject   : 微小球共振器(Microspherical Cavity)

カテゴリー  : 光学 


 微小球共振器(Microspherical Cavity)
 微小球レーザーは直径が数10から数100μmの大きさの球を光共振器として使用するレーザーです。球を共振器にすることで平行平面共振器を利用した通常のレーザーに比べて共振器のQ値が高くなり、レーザー動作のしきい値が低くなる、球の周囲の全方向でレーザー光が得られるなどの特徴を持っています。

球共振器からのレーザー光は球の接線方向に出力されるために、球の周り全方向にレーザー光が出力されます。そのため微小球がレーザー発振すると球の縁付近がリング状に発光します。

マイクロメートルオーダーの微小球(高分子、ガラス、半導体や微小液滴)に光が入射すると、微小球の屈折率、粒径によって決定される共振波長において選択的に散乱される様子が観測される。このことは幾何光学的には、入射した光のうちで界面において全反射条件をみたし、かつ、界面で全反射をくり返しながら一周して位相の揃う光の場が強く増強されることを示しており、光共振現象と呼ばれる。この現象は、現在一般的に用いられているFabry-Perot型共振器と同じ作用を示すので、マイクロメートルオーダーの微小球は高い光閉じ込め効率と小さなモード体積を同時に実現する光共振器として振る舞う。

 この時、微小球界面での全反射に伴い、界面近傍にはエバネッセント場が形成される。

 また、微小球にドープした色素分子を励起すると、共振器効果によって色素分子からの発光の場が増強され、励起光強度を増大させると誘導放出が誘起される。励起光強度がしきい値を越えるとレーザー発振現象が誘起される。

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 ⇒ レーザーの種類

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