Subject   : ポリアセタール(POM)、デルリン、ジュラコン

カテゴリー  : 産業・技術 


 ポリアセタール(POM)、デルリン、ジュラコン
ホルムアルデヒドを主原料として得られる重合体である。機械的性質、耐熱性に優れ自己潤滑性を有し、耐摩擦摩耗性および耐疲労性については抜群の性能を誇る。耐酸、アルカリ性に劣り、耐候性にもやや劣る。

 ポリアセタールはアセタール結合を主鎖とする重合体ですが、その一つであるポリオキシメチレン(略称POM、別名ポリホルムアルデヒド) [-CH2O-]n が代表的であるため、ポリアセタールとPOMはほぼ同じ意味で用いられているようです。POMだけから成る均質重合体(注1)と、[-CH2-CH2-O-]m などのような結合を含む共重合体の2種類があり、デルリンは前者、ジュラコンは後者です。

 均質重合体と共重合体とでは性質が若干異なりますが、比重約1.4、引張強さや曲げ強さはPCに匹敵しますが、耐衝撃性はやや劣ります。一般に白色〜乳白色をしています。吸水率は0.22〜0.25%で、樹脂の中では標準的な値でしょう。酸やアルカリには弱く、アセトンなどの有機溶剤には耐性があります。使用温度の上限は110゚C程度です。
成形機内で長時間滞留し高温にさらされると熱分解が起こり、ホルムアルデヒドガスの発生があり危険である。

● デルリン、ジュラコン
デルリン(Delrin:du Pond社)やジュラコン(ポリプラスチックス社)で知られるポリアセタールは比較的強度があり、耐薬品性に優れ、加工しやすいエンジニアリングプラスチックです。絶縁を兼ねた構造材(フランジや支柱)に適しています。

 市販されている素材では、デルリン(均質重合体)の方がジュラコン(共重合体)よりも透明度が低い(より白っぽい)印象を受けます。長期間使用しているとデルリンは黄変することがありますが、機械的強度はデルリンの方が若干良いようです。
 接着性は悪く、接着剤で接合することは避けた方が無難です。
真空中で使う場合は、 丸棒素材で中心付近に漏れが発生し易いので、注意が必要です。

  ⇒ エンジニアリング・プラスチック(engineering plastics)

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