Subject : 熱可塑性エラストマー(TPE)
カテゴリー : 産業・技術
熱可塑性エラストマー(TPE)
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ゴムとプラスチックの両方の特性を有し、プラスチックと同じ成形加工性を有し、しかもゴム状弾性を具備した高分子材料をいう。プラスチックと同じく再利用もでき、加硫ゴムに類似した特性をもっている。常温では加硫ゴムと同じ性質を示し、高温では可塑化されて一般の射出成形機で成形ができる。代表的な熱可塑性エラストマーとして
1、スチレンブタジエン系(TPS)
2、オレフィン系(TPO)
3、ポリエステル系(TPEE)
4、ポリウレタン系(TPU)
の4大TPEと呼ばれるものや
5、塩化ビニル系(TPVC)
6、ポリアミド系(TPEA)
7、フッ素ゴム系
などがある。
TPEの歴史は古いが開発・改良の余地は多く、他ポリマーとのブレンドによりプラスチックへ弾性を付与する方向、加硫ゴム分野への適用、耐熱性等の物理的性質を改良した新規グレードの開発といった3つの方向で市場開拓が進められている。すでに市場で一定の評価を得ているものとしては、PP-EPDMブレンドのTPOがあり、自動車バンパー用に大量消費されている。
- ● ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー
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熱可塑性エラストマーの一つで、分子内に1、2結合を含む低結晶性シンジオタクテック構造を有し、平均分子量は10数万、結晶化度15〜35%を保有する。熱可塑性素材として、フィルム、履物、カーペットに、側鎖の2重結合を利用した加硫ゴムとして、スポンジ、高硬度ゴム製品に使われる。主な用途として、サンダル、ケミカルシューズ、発泡ジョギングシューズ、生鮮青果物用フィルムなどの用途に使用されている。また、過酸化物架橋の共架橋剤としても使用されている。
- ● 塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー
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熱可塑性エラストマーの一つで、ハードセグメントがブロック型塩素化ポリエチレンからなり、ソフトセグメントがランダム塩素化ポリエチレンからなり、ポリエチレンの水中エマルジョンに塩素ガスを反応させて作られる。未加硫で使用されるが、過酸化物やアミンで架橋して使うこともできる。耐候性、耐オゾン性、耐油性、耐薬品性、難燃性がすぐれPE、PS、ABSなどの難燃性、耐衝撃性附与剤としても使用される。
⇒
石油の精製
⇒
天然ゴム
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