Subject   : 半導体式ガスセンサー

カテゴリー  : 産業・技術 


 半導体式ガスセンサー
ガスセンサーが必要なガスには、可燃性ガス、 毒性ガス 、酸素、 冷媒ガス、 半導体材料ガス、 溶剤ガス などがあります。 ガスセンサーの検知方式は、固体センサ、電気化学式センサ、光学センサ、 などの種類があります。

● 半導体式
金属酸化物半導体がガスと接触したときに生じる抵抗値変化をガス濃度として検知します。毒性ガスから可燃性ガスまであらゆるガスの検知に即応する汎用型のガス検知センサです。
低濃度域でのセンサ出力が大きく、高感度です。 他の方式に比べて過酷な環境条件に強い耐性を持っています。
【構造と原理】
ヒータコイルとアルミナチューブ上に形成された金属酸化物半導体で構成されています。アルミナチューブの両端には半導体の抵抗を測るための2つの金電極があります。
ヒータによって350〜450℃に加熱された金属酸化物半導体表面には大気中の酸素が0-や02-の形で吸着しており、半導体は一定の抵抗値を保っています。 この表面上にメタンガス等が接触、化学吸着すると、吸着していた02-イオンにより酸化され離脱します。 このときセンサ表面では次のような反応が起こります。 CH4+4O2-→CO2+2H2O+8e- つまり、メタンガスがセンサ表面に吸着して吸着酸素を奪い、センサ内部の自由電子が増加するので抵抗値は低下します。 この抵抗値変化を測定することによって、ガス濃度を求めることができます。
【検知対象ガス】
LPG、メタン、水素、一酸化炭素、硫化水素、フロンガス、アンモニア、その他の可燃性ガス、毒性ガス

● 熱線型半導体式
ガスと接触して抵抗値が変わる金属酸化物半導体と一体になった白金線コイルの抵抗変化をガス濃度として検知します。高感度の低濃度検知用ガス検知センサです。
【構造と原理】
白金線コイル上の周囲に金属酸化物半導体を焼結した検知素子と、ガスに不活性な金属酸化物を焼結した補償素子から構成されています。
検知素子の抵抗値(R)は半導体の抵抗値(RS)と白金線コイルの抵抗値(RH)の合成抵抗となります。白金線コイルのヒーターによって300〜400℃に加熱された検知素子はある一定の抵抗値を保っています。 検知素子にメタンガス等が接触すると、金属酸化物半導体表面に吸着していた酸素を離脱します。すると半導体内部を自由に移動できる電子の数が増加し、半導体の抵抗値は減少します。その結果、検知素子全体の抵抗値も減少します。この抵抗値の変化量をブリッジ回路によって電圧として取り出すことにより、ガス濃度を求めることができます。
【 特長 】
(1) 低濃度域でのセンサ出力が大きく、高感度です。
(2) ガスによっては選択性を持つことが出来ます。
(3) センサの消費電力が小さく、製品の小型化が可能です。
(4) 長期安定性に優れ、長寿命です。
(5) 耐被毒性に優れています。

【検知対象ガス】
LPG、メタン、水素、一酸化炭素、アルコール、その他の可燃性ガス、フロンガス、AsH3、PH3、SiH4、B2H6、GeH4、NF3等
 ⇒ 半導体産業で使われるガスの許容濃度

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