Subject   : 潤滑剤

カテゴリー  : 産業・技術 


 潤滑剤
潤滑剤には、 切削油剤(不水、水溶性)、 熱処理油、 塑性加工油(圧延油、プレス油、引抜き油、鍛造油、放電加工油)、 軸受油、 タービン油、 圧縮機油、 冷凍機油、 油圧作動油、 工業用ギヤー油 、 ガソリンエンジン油、 ディーゼルエンジン油、 2サイクルエンジン油、 車両用ギヤー油 、 電気絶縁油、 防錆油、 ゴム配合油・プロセス油、 流動パラフィン、 印刷インキ油、 離型剤、 などがあります。

潤滑剤を形態で分類すると以下のようになります。
種類 コメント
液体潤滑剤 潤滑油:シリコーンオイル系、防錆・浸透・潤滑剤、オイル系
半固体潤滑剤 グリース、コンパウンド
固体潤滑剤 二硫化モリブデン、グラファイト

● シリコーンオイル系
 ジメチルシロキサン(シリコーンオイル)をスプレーにしたものが多く、特徴として平滑性にすぐれています。またオイル自体が浸透性を持っています。  用途としては、軽荷重の潤滑性(すべり性のほうが適当かもしれません)に向いていますが、荷重がかかると潤滑性がなくなります。(油膜強度が弱い)またホコリが付着しやすい欠点もあります。  ミシンテーブルで布や人工皮革を縫うときにすべりをよくする、作業台やコンベアーなどで商品を移動させるときにすべりをよくする、印刷工程の断裁するときに断裁テーブルに使用して紙のすべりをよくするなどに使われています。  またシリコーンには離型効果があるので、粘着剤、接着剤の付着防止効果があり、タックシール印刷の抜き刃への粘着剤付着防止として使用されています。プラスチックの成形するときの金型からの離型剤としても使用されています。  ただし、シリコーンが付着したものは、接着や塗装ができなくなるので注意が必要です。

● 防錆・浸透・潤滑剤(CRC5-56に代表されるもの)
 水置換性を持つオイルに浸透性のあるオイル(オイルでなく溶剤に近く、一般的には無臭灯油が多い)、防錆剤(ラノリンなど)を配合したものです。  かなり広い範囲に使用できるオイルですが、浸透性を持たせるためにどうしても潤滑と防錆効果が弱くなります。
 用途としては、サビついたボルト・ナットなどのゆるめ剤としてや、丁番、チェーンなどのサビ・汚れの除去と短時間の潤滑、室内保管時の防錆などに向きます。サビ・汚れに対する浸透性以外は、あくまでも短時間の効果しか期待できません。
 一部の商品に潤滑効果を強くするために、モリブデンや四フッ化エチレン(テフロン)などを添加しているものもあります。ある程度の量が入っていれば、かなり効果がよくなります。
★ 洗浄力があるために、車のドアヒンジやベアリングなどグリースを入れて潤滑する設計の部分に使用すると、グリースを洗浄し、キシミやガタが発生することがあるので注意。

● オイル系
スピンドル油(ミシン油)などをベースにしたもので、一般的にはミシンオイルがあり ます。油膜強度が結構強く、一般の潤滑には充分使用できます。ただし浸透性は弱く、細部に入りにくい面があります。

● グリース
グリースは増ちょう剤、基油、添加剤からなって います。増ちょう剤は基油(潤滑油)を半固体状にする物質であり、微細な 粒子として基油の中に分散し、耐熱性、耐水性、機械的安定性など重要な グリース性能を決定づけます。
オイルと金属石けんの混合物で、強い油膜層を作ります。長期間の潤滑に向きますが、 浸透性がまったくないために、必要場所に注入するか、組み立て時に塗布することが必要です。軸受の密封化により、長期無給脂が可能。グリース自身にシール作用があるので、漏れの心配は殆どない。冷却能力は無いなどの特徴があります。

● 固体
 黒鉛、二硫化モリブデン、ボロンなどの結晶体と、テフロンやタルクなどの粉末タイプがあります。いずれも油分をきらう場所や、ホコリの付着をきらう場所に向きます。またはオイルと一緒に混合しているものは、高荷重や高温の場所の潤滑に向きます。荷重や温度に対しては、結晶系のほうが強いようです。
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