Subject : 風力発電
カテゴリー : 産業・技術
風力発電
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風力発電では風の速度エネルギーを翼(風車)の回転力に変換したのち、
発電機を回して発電する。風車発電技術の焦点は、変動の激しい自然風から
いかに安定した電力を得るかということと、耐久性の実証にある。
風力エネルギー=0.5×(空気密度)×(受風面積)×(風速)3 で示されるが、実際には増速機の機械損失等があるため、最終的に風車出力として利用できるエネルギー比率はこの25〜40%である。また運転範囲はせいぜい風速2~3m/sから20~30m/sの範囲で、強風時は強度上より停止する。
欧米では平坦地域でなお且つ安定的に風が吹く地域が多いが、我が国では起伏に富んだ地域が多く、風の変化が激しく、風力発電に適した地が少ない。また台風地帯であるので強度上の問題のために大型化がむつかしく、コスト増要因となっている。また隣接風車の影響を受けるので離して設置する必要があり、約2000m2/kWと広大な面積が必要となり、大容量発電には適していない。我が国の場合には風向の良い場所でも年間稼働率は20%前後であり、独立電源としては成り立たず、離島や岬等での補完電源として適している。
風車の羽根(ブレード)の数は1〜3枚が用いられている。枚数が少ないと回転数が上がり騒音が大きくなるが、軽量化・低コスト化・設置が容易という利点がでる。一方3枚ブレードは振動が起きにくく安定性がよく、現在では主流になっている。
ブレードの材質は軽量で耐久性が良いガラス繊維強化プラスチック(GFRP)が主流となっているが、風力発電を環境面で特徴付けるには、台風地域の我が国の環境下でのこれら設備の耐用年数とその廃棄物量についての考察も必要である。
単機最大出力は1995年頃までは500kW程度であったが、2000年頃になると600~1000kW(翼径約60m)の機種が主流となってきて、さらに最近では2000kW以上の機器の開発/実用化が行なわれている。
現在日本における風力発電設備は36万kW(2001年)で、2010年度までに300万kW(稼働率20%として年間約50億kWhとなり、我が国の総発電量の0.5%程度)にするとの政府目標である。
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