Subject : デジタルデバイド
カテゴリー : 産業・技術
デジタルデバイド
-
様々な理由から、パソコンやインターネットをはじめとする情報・通信技術の利用に困難を抱える人を情報弱者(information shortfall)といいます。
情報技術を活用できる層と情報弱者の間に社会的・経済的格差が生じ、あるいは格差が拡大していく現象を「デジタルデバイド」という。
情報弱者は、典型的には、低所得者や高齢者、視聴覚障害者などがこれにあたる。文脈によっては、通信インフラの整備が遅れがちな離島や山間部の住民、発展途上国の国民などを指すこともある。
情報弱者を生まないためには、一つには、教育や収入などの社会的階層によらずに情報技術を利用できる環境作りが必要である。公共の場所(例えば図書館)に誰でも自由に使える情報端末を整備したり、安価もしくは無償で提供される教育機会(「IT講習会」など)が必要とされている。アメリカでは、こうした問題に積極的に取り組むNPOがたくさんあり、行政も様々な施策を実行している。
また、体に障害があることによって「情報弱者」となっている人たちに対する取り組みとして「情報のバリアフリー化」が提唱され、様々な取り組みがなされている。視聴覚が不自由な人でもアクセスしやすいWebページを作ることや、障害をもった人たちにとって必要な情報を用意することなどが必要である。
情報へのアクセスには通信インフラが重要な役割を果たすため、通信事業のユニバーサルサービス(全国均一のサービス)を維持したり、発展途上国の通信インフラ整備を援助することも、情報弱者を生まないために重要な点といえる。
2000年7月の九州・沖縄サミットではデジタルデバイドが議題に挙げられ、情報弱者への支援とデジタルデバイドの克服が重要課題とされた。
- ● アクセシビリティ(accessibility)
-
情報やサービス、ソフトウェアなどが、どの程度広汎な人に利用可能であるかをあらわす語。特に、高齢者や障害者などハンディを持つ人にとって、どの程度利用しやすいかという意味で使われることが多い。accecibilityとは「受け入れられやすさ」という意味の英単語である。
例えば、手や腕の障害のためにマウスを使えない場合、ソフトウェアはキーボードだけで利用可能である必要がある。弱視や老眼の人にとってはフォントサイズや配色は容易にカスタマイズ可能でなくては見にくい。視覚障害の人は読み上げソフトを使うので、それに適したレイアウトや記述方法が求められる。
特に、Webページについての「利用のしやすさ」を「Webアクセシビリティ」という。これについては「WCAG」(Web Content Accessibility Guidelines)という指針がW3Cによって提唱されている。画像や音声などには代替テキストによる注釈をつける、すべての要素をキーボードで指定できるようにする、情報内容と構造、および表現を分離できるようにするなどの方針が定められている。
⇒
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]