Subject   : 分光放射計(spectroradiometer)

カテゴリー  : 産業・技術 


 分光放射計(spectroradiometer)
 紫外線から赤外線領域の電磁波を対象として、分光放射輝度または分光放射照度を測定する機器のことを分光放射計という。  照射光源の分光放射照度や反射率既知の物質からの分光放射輝度を同時に測定することにより、測定対象物の分光反射率を測定することもできる。衛星搭載の光学センサも分光放射計の一種である。また、照射光源からの放射束と測定対象物からの放射束とを比較し、相対的な反射率または透過率などを測定する簡便な分光放射計のことを、分光光度計という。  分光放射計は電磁波照射源の分光スペクトルや、さまざまな物質の分光反射率測定に用いられ、物質の同定にも役立つ。また、野外用はグランドトルースを提供するために用いられる。

 分光放射計は光学系、光電変換系、処理・記録系からなる。光学系はさらに集光系と分光系に分けられる。集光系はレンズ、反射鏡を用いるものや、開口部だけからなるものもある。分光系には干渉フィルタ、色素フィルタ、回析格子(グレーティング)、CVF(Circular Variable Filter)、プリズムなどが用いられ、特定の波長の電磁波のみを分離する。

 一般にフィルタを用いるものは、小型で構造が簡単という利点がある反面、スペクトル分解能を高めるのは難しい。一方、回析格子を用いるものは、スペクトル分解能は高くできるが機械的に複雑となり、測定時間が長くかかる。光電変換系は、検出器と前増幅器からなり、電磁波放射束を電気信号に変換する。検出器は対象とする電磁波の波長領域に応じてさまざまな物質が用いられ、たとえば可視近赤外域ではシリコン、短波長赤外域では硫化鉛などが代表的なものである。
 ⇒ 人工衛星(Artificial Satellite)

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