Subject   : 世界参照座標系(WRS)

カテゴリー  : 産業・技術 


 世界参照座標系(World Reference System)
 地球観測衛星の各観測シーンを指定するため、衛星のノミナル軌道をもととした二つの整数が用いられる。 WRSはLANDSAT用として初めて作られた。まず、各1周分のノミナル軌道に対してパス番号を与え、各パス番号に対応する軌道上において一定の間隔で等分割され、ロウ番号が与えられる。各パスとも同一ロウ番号に対し、同一緯度が対応する。パス番号とロウ番号の組み合わせに対し観測日を明示したものが「観測カレンダ」であり、観測データの選定に便利である。またカタログにはWRS情報が含まれており、観測シーンの検索に利用される。

 一例としてMOS-1のWRSでは回帰日数が17日であり、1日14周回するためパス番号の最大数は237(14×17−1)となる。 MOS-1の軌道は1日に1パス分だけ西にずれていき、238パス目で同じ軌道となる。地球観測センターの可視範囲(仰角5゜)の中で一番東寄りでかつ北から南へ向かう軌道(降交軌道)をパス番号1とし、西へ順次増やしていく。ロウ番号は、前後の観測シーンが適切な重なりの大きさとなるように等間隔に分割し、最大の数496が与えられ、北から南へ赤道を通過する降交軌道を北から南へ、南から北へ赤道を通過する昇交軌道を南から北へロウ番号を順次増やしていく。

 地球の北極、南極に近づくと、隣接軌道間隔が小さくなり、隣り合う観測シーンの重なりが大きくなるため地球上をいくつかのゾーンに分け、軌道の数を減らしたWRSが作成できる。 SPOTはこの方法によりWRSの一種であるK−J(カラム、ライン)グリッドを作成している。

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 ⇒ 人工衛星(Artificial Satellite)

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