Subject   : TLO(技術移転機関)

カテゴリー  : 産業・技術 > 


 TLO(Technology Licensing Organization)
 大学の研究者の研究成果の特許化し、それを企業へ技術移転する法人であり、産と学の「仲介役」の役割を果たす組織です。大学発の新規産業を生み出し、それにより得られた収益の一部を研究者に戻すことにより研究資金を生み出し、大学の研究の更なる活性化をもたらすという「知的創造サイクル」の原動力として産学連携の中核をなす組織です。

 大学や国立研究所の研究成果を企業に技術移転して事業化を目指す機関。事業化によって得た収入を新たな研究資金に充てることを目指す。

 2004年度からの国立大学の独立行政法人化によって、大学が自ら稼がなければならなくなりました。その1つの方法として注目されているのが、「TLO(技術移転機関)」です。

 1998年8月に大学等技術移転促進法(TLO法)が施行され、国もTLOの設立を支援しています。

 TLOの主な役割は、大学や研究所が開発した技術などを特許化し、企業にライセンスを供与することです。民間企業に新規事業を創出し、その収益の一部を特許料収入として大学の新たな研究資金に充てるのです。このほか、「国などが募集する公募型の共同研究に応募したい」「大学の研究者と技術的な課題を解決したい」といった民間企業からの依頼に対して、適切な研究者を紹介することもTLOの役割です。いわば大学と産業界の橋渡し役です。
 TLOの認定を受けると、出願する特許料の減免や助成金の交付などが受けられるメリットがあります。

 米国では1980年にTLO法と同様の法律「バイ・ドール法」が制定され、大学の研究を民間企業に技術移転し収入を得る仕組みとして定着しています。 TLOには、「承認TLO」と「認定TLO」の2種類があります。

 ○ 承認TLO
 個人が持つ特許を取り扱うことが特徴で、経済産業省と文部科学省がTLO法に基づき事業計画を承認します。現在、37の法人や団体が承認TLOとなっています。1つの大学で設置したTLOのほかに、規模の小さい大学が連携してTLOを設置しているケースもあります。

 ○ 認定TLO
 認定TLOは、国立大学や国の試験研究機関が持つ特許を取り扱います。研究機関を管轄する省庁が認定します。例えば、厚生労働省の認定TLOである「ヒューマンサイエンス技術移転センター」は、同省の国立研究所の技術を扱います。
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