Subject   : 超音波モーター(USM)

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 超音波モーター(USM)
 超音波モーターとは、超音波振動を利用しロータあるいは リニア被駆動体を駆動する方式のモーター。

駆動するための振動周波数が超音波領域になるために名づけられた。英語表記は USM (Ultrasonic Motor)、 またはHSM(Hypersonic Motor)。その区分は、波動原理から進行波型・定在波型、振動モードから共振型・非共振型、形状から円板型・平板型・くさび型があるが、実用化されているのは平板共振型、あるいは円板進行波型超音波モーターなのでこちらを指す場合が多い。圧電効果を利用しているものは圧電モーターと呼ばれることもある。

低速、高トルク 、 高速応答 、 中空構造が可能 電界、磁界の発生や影響が無い(MRIや電子ビームに影響を与えず使用できる) 、 連続使用により発熱量が増加(主に摩擦熱) 、 高性能なエンコーダとの組み合わせで高い位置決め精度が得られる 、 摩擦により位置保持のための消費電力はほとんど必要無い 、 ギアを使って減速する必要が無いので小型化しやすい。また駆動音が静かである 、 などの特徴がある。 製作に高い技術が必要 。

 ○ くさび型超音波モーター
 圧電素子等により発生させた超音波振動を利用してくさびを振動させ、先端を楕円運動させて接触しているロータを駆動する。 共振させることにより高効率で、高速回転が可能であるが、接点の発熱と磨耗により寿命が短い。

 ○ 進行波型超音波モーター
 圧電素子等により発生させた超音波振動(10-100kHz程度)を利用してステータにたわみ波動を発生させ、その進行波を利用してロータを駆動する。 ステータの進行波をロータに伝えるためにある程度の圧力で押さえる必要があり、接触面の精度を高くする必要がある。 ステータの進行波がうまく伝わらずにロータがすれると摩擦熱により発熱が増大する。

 ○ 定在波型・縦屈曲多重振動子を用いた超音波モーター
 長方形圧電セラミック素子上に、市松格子状に4箇所の電極を形成し、その内の2個所の対角線上の電極に 40~80KHz程度の高周波電圧を加え、当該素子を伸縮・屈曲させ、素子の縦方向中央、上部に付設されたセラミックチップに楕円運動を生起させ、この運動を当該素子下部に付設されたバネにより、前記セラミックチップの楕円運動を被駆動体に伝達し、被駆動体をリニア、或いは回転運動させる。

 ○ 共振型・縦屈曲多重振動子によるモーター
 速度、推力共に、ダイナミックレンジが 進行波型に比し格段に広い。 リニア、回転運動 共に同一モーターで対応できる。 モーターの到達可能な分解能が10nm以下の為、精密位置決めに適している。 非磁性・真空環境対応のモーターが容易に作製できる。 大きさが 10.2X9.3X3mm程度のマイクロモーターが製作できる。 モーター寿命が MTBF 20,000時間で 在来の進行波型に比べ長い。
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