Subject   : フェーズドアレイレーダー(PAR)

カテゴリー  : 産業・技術 > 


 フェーズドアレイレーダー(Phased Array Radar)
フェーズドアレイレーダー(PAR)、位相配列レーダーとは平面上に多数の小さなアンテナを備えることで機械的な首振り動作を必要としないアンテナである。パルス・レーダー、パルス・ドップラー・レーダー等のアンテナとして用いられる。更に受信信号をデジタル処理することによって多数の受信ビームを作り、方位・距離を測定するDBF(デジタル・ビーム・フォーミング)にも応用される。

従来のレーダーのようにアンテナを上下左右に動かすのではなく、平面上の多数の小さなアンテナからそれぞれ放射する電波の位相を電気回路で制御することで、これらのアンテナからの電波を合成して、旋回・俯仰する走査方法を用いて観測するレーダーである。そのためレーダーアンテナに機械的な駆動装置の必要がない。平面上の小さなアンテナのそれぞれに電波送受信機が実装されているものがアクティブ式(Active Phased Array Radar(APAR、アーパー))で、小さなアンテナの裏側に位相変換器と呼ばれる仕組みが電波を分配する役割の導波管に隣接して備わっていて、これらがただ1つの電波送受信機からの電波を分配しながらそれぞれのアンテナに合わせた分の位相をずらすものがパッシブ式である。パッシブ式の受信は送信の逆方向となるだけである。アクティブ式はパッシブ式に比べて高い技術力が要求されるが、パッシブ型に比べて小型化が可能である。

米軍では、フェイズド・アレイ・レーダーと言えば、パッシブのことを指し、アクティブのものはAESA(Active Electronically Scanned Array)と呼んでいる。

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 ⇒ レーダ(radar)

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