Subject   : TIG溶接

カテゴリー  : 産業・技術 > 


 TIG溶接 (tungsten inert-gas arc welding)
  イナートガスアーク溶接は被覆アーク溶接あるいは、ガス溶接によって溶接が困難であった各種金属の溶接に使われる重要な方法である。

イナートガスアーク溶接には、アルゴン(Ar)あるいはヘリウム(He)など高温でも金属と反応しないイナートガス(不活性ガス)をトーチのノズルから流しながら、その中で裸のタングステン棒あるいは裸の金属ワイヤを電極としてアーク溶接を行う方法である。これには(a)イナートガスタングステンアーク(TIG)溶接と(b)イナートガス消耗メタルアーク(MIG)溶接がある。

 TIG溶接はタングステン棒を電極とするもので、ガス溶接と類似の操作方法で裸の溶加材をアークで溶かしつつ溶接する。また、薄板をTIG溶接する場合には溶接棒を用いず、被溶接材(薄板)をアークで溶かして溶接する。タングステン電極はほとんど消耗しないことから、非溶極式(非消耗式)イナートガスアーク溶接ともいう。TIG溶接では直流あるいは交流が用いられる。直接溶接としては溶込みが集中的に深くなる直流正極性と母材の溶込みが幅広く浅くなる直流逆極性がある。また、アルゴンガスを用いた逆極性ではアークが母材表面の酸化膜を除去するクリーニング作用がある。交流溶接では直流正あるいは逆極性の中間状態となり、溶込みはやや幅広く深目になり、しかもアルゴンガスを用いればクリーニング作用がある。クリーニング作用のある直接逆極性叉は交流のアルゴンTIGは一般に軽合金に用いられる。これに対して、直接正極性はクリーニング作用を必要としない材料(炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金など)に用いられる。

 ■ 
 

 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]