Subject   : サーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)

カテゴリー  : 半導体 


 サーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)
温度を感知する半導体酸化物を特にこう呼ぶ。半導体の温度−抵抗特性を利用した半導体温度センサ。

電気抵抗が温度に対して大きく変化する材料であり、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などを成分とする酸化物を焼成したセラミックスが一般的である。電圧をかけた際に温度に応じて電流値が明確に変化する。

白金測温抵抗体と比較して、抵抗変化特性の直線性が悪く測定精度も低いのですが、小形・廉価で衝撃にも強く、かつ10倍くらい感度が良いため、温度センサとして広く実用されています。 エアコン・冷蔵庫・電子ジャー・ファンヒーター・電子コタツ等,「温度」に関係した電化製品には必ず使われる。また,自動車の排ガス温度感知や,最近では,携帯電話・ノートパソコンに必須の二次電池の放充電時の温度制御にも不可欠である。

 また,酸化物半導体の表面に分子が吸着すると,その電気伝導度が変化します。これは,吸着分子と半導体との間で電荷移動が起こるためです。したがって,半導体は様々なガスのセンサとしても使われます。可燃性ガス(メタン、プロパンなど),蒸気,酸素,水素,一酸化炭素,硫化水素など,火災や中毒の原因になったり,不快指数を増加させたりするガスを検知してくれるおかげで,我々は快適に日常生活をおくれるのです。

サーミスタは、特性によって次の3つに分類されます。
(1)NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ
(2)PTC (Positive Temperature Coefficient)サーミスタ
(3)CTR(Critical Temperature Resistor)サーミスタ

● NTCサーミスタ
負の温度特性をもつ(温度が上昇すると抵抗値が減少する)素子であり、単にサーミスタと呼ばれるもののほとんどは、NTCサーミスタです。
様々な形状の材料が入手でき、熱電対や白金測温抵抗体と同様に使える感温素子として極めて安価です。また、温度に対する感度が高いという利点があるため、温度検出用素子として広く用いられています。使用温度範囲は−50〜400℃程度です。

● PTCサーミスタ
正の温度特性をもつ(温度が上昇すると抵抗値が増加する)素子です。ある温度範囲で非常に感度が良く、温度測定にはこの範囲を利用します。
PTCサーミスタの多くは、ある程度の電力を扱えるように設計されています。そして、単に温度を検出するだけでなく、電力を直接制御する目的での使い方が可能です。すなわち、過熱保護や過電流保護などのためヒューズの代替品として使用されています。使用温度範囲は−50〜150℃程度です。

● CTRサーミスタ
負の温度特性をもつところはNTCサーミスタと同じですが、PTCと同様、ある温度範囲で感度が良くなっています。常温域において手軽に使えるため、家電機器における温度計測に多く用いられています。使用温度範囲は−50〜150℃程度です。

● 酵素サーミスタ
 化学反応はほとんどの場合発熱または吸熱反応である。そこで精密なカロリメータを用いて酵素反応を検出することで、特異的な反応測定ができる。実際にはトランスデューサとしてサーミスタを利用して発熱量測定を行う。
 ⇒ センサの種類

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