Subject   : CVD法(化学気相成長法)

カテゴリー  : 半導体 


 CVD法(chemical vapor deposition)
 CVDとは,「化学気相成長」の意味で,ウエーハを反応器(chamber:チャンバ)に入れ,薄膜の種類に応じた原料をガス(気体:気相)状態で流し,化学触媒反応を利用して膜をたい積させる方法です。触媒反応に必要なエネルギーの種類に応じ,熱エネルギーを利用する熱CVDと,プラズマ・エネルギーを利用するプラズマCVDに分けられます。また,一部で光エネルギーを利用した光CVDなどもあります。

 熱CVDは成膜時の圧力により,大気圧より低い減圧状態で行う減圧(LP-CVD:low pressure CVD)と,大気圧下で行う常圧CVD(AP-CVD:atmospheric pressure CVD)があります。CVD法では,絶縁膜や半導体膜,さらに金属膜などを成長させることができます。

 化学反応を起こさせる反応室(チャンバ)内に導入された原料ガスは,熱,高周波電力,光などのエネルギーによって,解離・供給反応を受け,エネルギー的に励起された前駆体ラジカルが発生します。

 この前駆体は下地の膜で吸着・脱離を繰り返し,そのうち一定量が下地表面に吸着され,表面上を移動しながらたい積していきます。この時,生じる反応副生成物はガスとなって表面から離脱し,真空ポンプによって外部に排気・除去されます。

○ AP-CVD(常圧CVD)
 温度400〜800℃で,大気圧(1気圧)で成長します。成長速度が速い,複雑な真空系が不要などの長所がある半面,膜厚の均一性やステップ・カバレッジ(被覆性)が劣り,パーティクル(ゴミ)が発生しやすいなどの短所があります。

○ LP-CVD(減圧CVD)
 温度は,AP-CVDと変わりませんが,成長時の圧力を0.1〜30Torr(圧力の単位,1/760気圧)に減圧します。膜質やステップ・カバレッジが良好で大量生産も可能です。

○ P-CVD(プラズマCVD)
 チャンバに高周波電力を与え,原料ガスをプラズマ化します。250〜400℃と比較的,低温で0.1.30Torrの減圧下で成長します。低温での成膜が可能ですが,LSIがプラズマによる電気的ダメージを受けないように注意が必要です。

○ バイアスHDP.CVD(高密度プラズマCVD)
 高密度プラズマを用いて,CVDによる膜たい積とスパッタによるエッチングを同時に行う方法です。3mTorr程度の低圧で成膜を行いますが,プラズマ密度が高いので通常のプラズマCVDと同等の成長速度が得られます。反応ガスがウエーハに垂直に入射する成分が多く,エッチングしながらたい積するので,下地パターンの狭いギャップに対する押し込み性が高く,膜質が緻密(ちみつ)で,多層配線の層間の絶縁膜などに適しています。
 ⇒ 膜形成方法(deposition)
 ⇒ エピタキシー(epitaxy)

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