Subject   : ALE(原子層エピタキシー)法

カテゴリー  : 半導体 


 ALE(原子層エピタキシー)法
 膜が形成される反応プロセスをステップごとに分離、制御してその反応を1分 子(原子)層ごとに完結させ、それを繰り返すことによって成膜する方法。

 化合物半導体を用いるデバイス製作技術の発達は,近い将来,原子1層まで完全に制御されたヘテロ接合界面をもつエピタキシャル層を必要としている。このようななかで,原子(分子)を1層ずつ着実に制御しながら成長を行なう原子層エピタキシ(Atomic Layer Epitaxy)法が, MOVPE法の新しい手法として盛んに研究が進められるようになった。  ALE法によるIII−V族化合物半導体結轟の成長に関しては,西澤らによるGaAS成長の報告以来,多くの報告がなされている。ALE法は,MOVPE法を変形したものであり,通常のMOVPE法では, III族原料ガスとV族原料ガスとを同時に反応管に送り込み成長を行なうのに対して,ALE法では, III族とV族原料ガスを交互に,圧いの混じりがないように願次周期的に反応管へ送り成長を進める点が異なってる。この結果,ALE法では,条件を適切に設定すると、 結晶成長が各サイクルで分子層1層で自動的に停止するという特色が得られる。この演動停止機構(成長のセルフリミティング機構)の有無が,ALE法を他の成長モードと区別する重要な特徴である。

 ALE法においては,成長がlayer−by−layerで進むため,理想的な2次元成長が実現できる。 また,成長のセルフリミティング機構により,成長膜厚が原料ガスの切り換えの團数で決められるため膜厚を決定する際に誤差がなく,さらに,成長が低温でなされるため原子の相互拡散の程度も小さい。このため,ヘテロ接合界面の急峻性や不純物ドーピングの位置が原子層レベルで保証される,局所的な高濃度ドーピングおよび大口径基板上への均一成長が可能になる,などの利点がある。


 ⇒ 膜形成方法(deposition)
 ⇒ エピタキシー(epitaxy)

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