Subject   : 早期是正措置(prompt corrective action)

カテゴリー : 政治・経済


 早期是正措置(prompt corrective action)
 監督当局が金融機関に対し収益の回復や資本の増強、店舗の統廃合など経営の是正を指導する措置。

 金融機関の破たんの未然防止策として、1998年4月から施行された。自己資本比率が一定の水準(銀行の場合4%)を下回れば、業務改善計画の提出や増資計画の策定、業務停止命令などを段階的に実施する。

● 自己資本比率規制(capital-adequacy rule)
 銀行の自己資本比率とは、貸出残高、保有有価証券などの総資産に占める資本金、引当金など内部資金の割合。国際決済銀行(BIS)の規制では株式などの含み益の一部も自己資本とみなしており、8%を維持することが求められている。国内業務に特化した銀行の最低基準は4%。
 貸し出しを回収できなくなった場合、内部に貯めていた自己資金を取り崩して穴埋めするので、この比率が高いほど経営の健全性は高いとされる。日本では金融機関の監督において自己資本比率に応じて金融機関に経営改善を求める早期是正措置を1996年に導入した。健全行の目安となるこうした基準を下回った場合は、一部の業務停止などを含む早期是正措置が金融庁から発動され、自己資本の早期回復が求められる。

● 自己査定(self-assessment)
 金融機関が貸出債権の不良化の度合いを自らの判断で決定し、必要な償却処理をすること。
 金融当局の検査や考査に基づいて償却する従来の制度と異なり、自己判断に基づく。これにより自己資本比率が大きく下がった場合は、当局から業務改善命令など「早期是正措置」を受ける。

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