Subject : 暗黒星雲
カテゴリー : 宇宙科学
暗黒星雲(dark nubula)
-
背後にある明るい天体からの光を吸収する暗い星間雲。
星の形成の初期の段階は、暗黒星雲の中で起こるといわれている。暗黒星雲は塵やガスを含み、温度は低く単純な分子が形成されている。暗黒星雲に関する知識は、赤外線や電波の観測により得られた。
暗黒星雲は、散光星雲や星を背景にすることによって、黒く浮かび上がって見えるのです。
暗黒星雲の正体は、散光星雲と同じ星間雲です。形は、星間雲ですから、散光星雲と同様に不規則な形をしています。散光星雲との違いは、散光星雲が星に照らされて光っているのに対して、暗黒星雲は光を出していないことです。ですから、暗黒星雲は、背後に散光星雲やたくさんの星がないと見ることはできません。背後に散光星雲や星があって、その光をさえぎって、はじめてその姿を見ることができるのです。
星間雲から星が生まれることは、前の質問の答えのなかでも述べているとおりです。むしろ、暗黒星雲から星が生まれ、その光に照らされて光っている部分が散光星雲といえるでしょう。
暗黒星雲までの距離は、星雲の部分とそのまわりの部分のそれぞれで、見える星の数を明るさごとに数えることによって知ることができます。暗黒星雲の手前の星は星雲の上に重なって見えます。このような星は比較的近いわけですから、明るく見えます。逆にいうと、暗黒星雲に隠される星は、暗い星ということになります。何等級より暗い星が隠されるかは、その星雲の距離によります。つまり、まわりの部分と比べて、何等級より暗い星から見える星の数が減りだしているかを調べれば、暗黒星雲までの距離がわかるわけです。
暗黒星雲は、散光星雲と違って、あたためてくれるような星もないので、非常な低温になっています。電波の観測によると、絶対温度でおよそ10度、つまり零下約260度しかありません。このように低温で密度の高い星間雲の中には、さまざまな分子が存在しています。水、一酸化炭素、アンモニア、メタン、アルコールなど多くの分子が電波の観測などから見つかっています。電波で見えるこのような星間雲は、特に分子雲とよばれています。
- ○ 馬頭星雲
-
馬の頭のような形をした黒い部分は、馬頭星雲とよばれる暗黒星雲です。
⇒
銀河(galaxy)
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]