Subject   : 星団(cluster of stars)

カテゴリー  : 宇宙科学 


 星団(cluster of stars)
 物理的に関連している星の集団のことで、これ等の星の起源は同じと推測されている。主な星団のタイプに散開星団(open cluster)と球状星団(globular cluster)がある。

 ○ 球状星団
球状星団は、その名のとおり星が丸く球状に集まっているも、星の数も、散開星団と比べるとけた違いに多く、中心にいくほど星は集中しており、明るい星だけで数万個、暗い星や中心部の密集した部分も考えると数十万個は星があると考えられています。

 球状星団までの距離は、星団の中にあること座RR型変光星やおとめ座W型変光星を利用して求めることができます。これらの変光星は、明るさの変わる周期がその星の絶対等級と関係があるという特徴をもっています。周期は観測からわかりますから、それからその星の絶対等級を求め、それを見かけの明るさと比べてやれば、その星までの距離、つまりはその星の属する球状星団までの距離がわかるわけです。このようにして求められた距離は、近いものでも数千光年、遠いものでは30万光年以上と非常に大きいものでした。M13までの距離は23500光年、ケンタウルス座オメガ星団までの距離は17000光年です。「すばる」の408光年と比べると、いかに遠いかがよくわかります。

 球状星団の年齢は、散開星団と同じように、星団を構成している星の色や明るさの分布を調べることによって求めることができます。観測してみると、質量が大きく寿命の短い青い星は見あたらず、質量が太陽程度かそれ以下の軽くて寿命の長い赤い星や進化の進んだ巨星、超巨星から成り立っていることがわかります。このことは、球状星団の年齢が100億年以上であることを示しています。球状星団は銀河系形成の初期に生まれた古い天体なのです。また、このことから宇宙の年齢が少なくとも100億年以上であることもわかります。

 ○ 散開星団
比較的若い星がばらばらと集まっている星団。 星数が十数個という小規模のものから、数百個という大規模なものまであり、現在までに1000個以上の散開星団が、銀河系平面(天の川)を中心に発見されています。 代表的なものはプレアデス星団、ヒヤデス星団、プレセペ星団などがあります。 散開星団には、双眼鏡や小規模で楽しめる対象が多いです。
 ⇒ 銀河(galaxy)

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