Subject   : 太陽のコロナとフレア

カテゴリー  : 宇宙科学 


 太陽コロナ
 日食の時、月に隠れた太陽の周りにガスのようにみえるものがコロナです。

太陽表面の温度は6千度くらいですが、その外側のコロナの温度は、約100万度もの高温のガスです。この温度上昇の原因は、太陽表面の運動がひき起こした波が衝撃波になって温度を上げている、コロナ中の小さな爆発現象が温度を上げている、などの説がありますが、なぜそのような高温になっているかは、まだよくわかっていません。太陽表面から温度が最低になるところまでを光球、温度最低点から急激に温度が上がるところまでを彩層、温度が急激に上がっている層を遷移層、温度が100万度以上の所をコロナとそれぞれ呼んでいます。非常に高温のガスは、X線を放射していますので、X線を使って太陽コロナを直接観測することができます。

コロナを次々と噴出している領域をコロナホールという。 もともとコロナがないように見えるが、コロナの放出が速い。

 太陽フレア
 太陽フレアとは、コロナに蓄えられた磁場のエネルギーが爆発的に解放される現象です。

太陽フレアによって、太陽風のプラズマ粒子が一気に加速されたり、惑星間空間に大量に放出された加速・加熱された粒子から電波やγ線などの電磁波が放射されます。最大級のフレアでは、10分ほどのごく短い時間に、日本中で1年間に発電される電気エネルギーの総量の100万倍もの電力が消費されるといわれています。

フレアは主に太陽黒点の周囲で発生し、小規模なもので数時間、大規模なものでは数日間継続する。 太陽フレアは高速の電子、陽子、イオンを解き放ち、同時に広い周波数の範囲の電磁波を放射する。 放射される電磁波には、可視光線・ラジオ波、X線、ガンマ線が含まれる。 太陽フレアを観測するために、太陽フレアの強度の指標が設定されている。 太陽フレアは、地球近傍に到達するエックス線の強度によって、A、B、C、M、Xの5段階にクラス分けされる。 太陽フレアは様々な波長の電磁波を放射するが、クラス分けはエックス線だけで判定するのである。

各クラスは、さらに1〜9の番号で再分割されている。 例えば、A4クラスのフレアは、A2のフレアの2倍の強度を持つ。
フレアの強度が10倍になると、フレアのクラスも1段階アップする。 C1クラスのフレアは、B1のフレアの10倍の強度を持つ。
Xを超えるクラスは設定されていない。 このため、Xのクラスでは10以上の数字も使用する。 X1の10倍のフレアはX10、25倍のフレアはX25になる。
フレアの強度はGOES衛星によって測定される。 GOES衛星が0.01mW/m2のX線を検出した場合、そのフレアはM1と判定される。 1mW/m2のX線なら、そのフレアはX10だ。
2003年11月の最大級のフレアが観測された。 GOES衛星の容量を超えたフレアであったので、正確な強度は分かっていない。 X40〜X45程度であったらしい。

 ⇒ 太陽系の惑星

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