Subject   : 液晶パネルの駆動方式

カテゴリー  : テレビ・ビデオ 


 液晶パネルの駆動方式
 液晶パネルの駆動方式は、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式の3種類に大別できる。PC用の液晶ディスプレイでもっとも採用が多いのはTN方式で、VA方式、IPS方式と続きます。
駆動方式によって異なるのは、液晶分子の配置方法と、電圧による液晶分子の動かし方だ。駆動方式の違いが大きく影響するのは、視野角と応答速度の特性です。

● TN(Twisted Nematic)
電圧がOFFのときは液晶分子が水平に並び、バックライトの光を通過させて画面が「白」になります。この状態で徐々に電圧をかけていくと、液晶分子が垂直に立ち上がっていき、最大電圧になったときにバックライトの光を遮って画面が「黒」になります。
 TN方式のメリットは駆動電圧とコストが低いこと、デメリットは視野角による色変化や輝度変化が大きいことだ。
TN方式の応答速度は、一般的に立ち上がり(黒→白)が遅く、立ち下がり(白→黒)が速い。さらに、立ち上がり/立ち下がりと比較して、中間調の応答速度が急激に低下するという傾向もある。このため最近では、中間調の応答速度を改善するオーバードライブを搭載することで、動画の表示品質を高めた製品も増えている。

● VA(Vertical Align)

 VA方式の液晶分子配列は、電圧がOFFのときは液晶分子が垂直、最大電圧のときは水平に並ぶ。画面の状態は、電圧OFFが「黒」、最大電圧が「白」になります。
 VA方式の大きな特徴は、電圧OFFのときはバックライト光が液晶分子の影響を受けず、偏光板でほぼ完全に遮断されることだ。つまり、かなり純粋な「黒」を表現でき、コントラスト比を高くしやすい。
 一方、視野角による輝度変化と色変化は、TN方式と同様の弱点を抱える。液晶分子の角度でバックライト光量を制御するため、見る角度によって透過してくる光量が違ってしまうからである。
 VA方式の液晶パネルでは、視野角特性を改善するために、液晶分子の「配向分割技術」(マルチドメイン)を組み合わせたものが多い。マルチドメインでは、液晶分子が垂直−水平を行き来する際に傾く方向を、範囲によって正反対にしている。

● IPS(In Plane Swiching)
日立製作所が開発したTFT液晶です。
IPS方式では、水平に寝かせた液晶分子を横方向に回転させることでバックライト光量を制御する。液晶分子の垂直方向の傾きが発生しないため、視野角による輝度変化/色変化が少ないのが特徴です。
弱点としては、コントラスト比と輝度、応答速度を高くしにくい点が挙げられる。 TN方式やVA方式と違って、階調全域で応答速度のバラつきが少ないという特徴もあるため、ラフィックプロ向けや医療向けでは高いシェアを保っている。動画性能(高速応答)が求められないこれらの現場では、IPS方式の高品質な発色特性と視野角特性が高評価されています。

96年に実用化され、S-IPS、AS-IPSといったバージョンが提供されている。

● Blue Phase Mode
Samsung電子によると、Blue Phase Modeには3つの特徴がある。1つ目は240Hz以上による高速な映像表示を可能とすること、2つ目は既存のものに比べ工程を単純化できるため、生産効率を高めることができること、さらに3つ目は、輝度ばらつき現象の発生可能性を根本的になくすことができる、というものだ
また、Blue Phase Modeでは、既存の方式において利用されていた、液晶分子の方向を決定する薄い膜である「配向膜」なしに自発的に液晶分子が配列される構造となっている。このため、光が液晶を通過する際に、屈折する程度が違ってくるという特徴を持っているという。
  ⇒ 液晶ディスプレイ

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